【セCS】快方に向かう巨人・岡本和は「即4番復帰」か「代打の切り札」か

左わき腹の負傷で欠場中の岡本和(東スポWeb)

セ・リーグ3位からCSファーストステージを突破した巨人は、10日からヤクルトとのファイナルステージ(神宮)に臨む。左わき腹の負傷で欠場中の岡本和真内野手(25)も徐々に快方に向かっているというが、復帰がかなった場合に浮上するのは主砲の起用法だ。即4番復帰か、岡本和不在の穴を埋めた丸佳浩外野手(32)を据え置くのか。代打の切り札とする選択肢もあるが――。

ペナントレースで苦汁をなめさせられた阪神に甲子園で2連勝を飾り、原辰徳監督(63)は一夜明けた8日に帰京の途に就いた。移動前に報道陣に応対した指揮官は「まだヤクルトのことは考えてないんだけど」と笑ったが、やはり気になるのは岡本和の復帰がファイナルに間に合うかどうかだろう。

指揮官は「昨日(7日)はまた少し良くなっているかなと。明日どうかなというところかな」と話した。岡本和がフリー打撃などの本格的な練習を行ったのは10月29日が最後で、すでに1週間以上のブランクがある。それだけに、9日に予定される練習でどれだけ動けるのかも含めて状態を確認する方針だ。

仮にゴーサインが出たとすると、今度は別の悩ましい問題に直面しそうで、他球団関係者は「今は丸が4番目の打者としてしっかりと機能している。そのままの流れを維持するか、岡本を4番に戻すのか、首脳陣も頭を悩ませるのでは?」と見ている。

というのも、岡本和の代わりに阪神2連戦で4番を務めた丸が攻守で大活躍。打率5割(6打数3安打)、2打点の成績で、出塁率も6割2分5厘だ。流れが明暗を分ける短期決戦。好調の丸をファイナルでも4番に据え置き、岡本和が5番で支えるなどのオーダーも一手だろう。

一方、公式戦では岡本和が全143試合で4番に座り、2年連続で本塁打&打点の2冠王に輝いた。主砲が本来いるべき場所に戻れば、チーム全体に安定感が生まれることは間違いない。もちろん、岡本和にとっては故障明けとなるだけに、ベンチスタートでここぞの場面での代打も大きな選択肢となる。

まずは岡本和を出場選手登録する基準をどこに設定するか。スタメンを張れるか、代打で出場できるほどまでならいいのか…。原監督は「そのへんは状況を見てでしょうね。まだまだ(日本シリーズまで)長丁場になる可能性もある。そこで正しい判断をするというのは大事でしょうね」とした。

4番復帰か、それとも主砲には不慣れな他の打順か、はたまた代打の切り札がベストなのか…。首脳陣が下す決断が下克上の命運も左右しそうだ。

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