バーランダーが公開練習で94~97マイル 15~20球団が視察に訪れる

アストロズからクオリファイング・オファー(年俸1840万ドルの1年契約)の提示を受け、去就が注目されるジャスティン・バーランダーだが、「ニューヨーク・ポスト」のジョエル・シャーマン記者によると、バーランダーがFA市場に出る可能性が高まっているようだ。トミー・ジョン手術明けのバーランダーは日本時間11月9日にフロリダで公開練習を行い、速球のスピードは94~97マイルを計測。シャーマンはヤンキースとメッツを含む15~20球団が視察に訪れていたことを伝えている。

現在38歳のバーランダーは、サイ・ヤング賞2度の実績を誇るメジャー屈指の好投手。これまでに新人王(2006年)、最多勝3度、最優秀防御率1度、最多奪三振5度など数々のタイトルを獲得し、投手三冠を達成した2011年にはMVPも受賞している。2019年に自身初のシーズン300奪三振を達成し、21勝6敗、防御率2.58の好成績で自身2度目のサイ・ヤング賞を受賞したが、2020年は開幕戦に先発しただけで故障離脱。結局、戦列復帰を果たせず、シーズン終了時にトミー・ジョン手術を受けて今季を全休した。

バーランダーが最後にフルシーズン活躍した2019年は、ファーシームの平均球速が94.6マイルを記録。公開練習で計測した94~97マイルという数字は、少なくとも速球のスピードが以前のものに戻っていることを証明した。完全復活するようであれば大きな戦力となるだけに、15~20球団が視察に訪れたというのも頷ける。これだけの球団が興味を示しているのであれば、バーランダーはクオリファイング・オファーを拒否し、複数年契約を狙ってFA市場に出るのではないだろうか。

ちなみに、バーランダーは2019年3月に2年6600万ドルの契約延長を得たが、契約期間の2年で1試合しか登板できず、アストロズとしては大失敗の契約となった。なお、メジャー16年間で通算226勝129敗、防御率3.33、3013奪三振をマークし、将来のアメリカ野球殿堂入りを確実視されている。

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