未感染者の抗体価 1回目接種から24週で大幅減 長崎大病院研究グループ

ワクチン接種前後のスパイクタンパクに対する抗体の推移

 長崎大学病院の研究グループは8日、新型コロナウイルスワクチン接種後の抗体価について、抗体価がピークとなる2回接種から7日後に比べ未感染者はそれから20週後(1回目から24週後)には平均値で約7.4%まで低下していたと明らかにした。一方、既感染者は同じ期間経過後もピーク時の約3割を維持。ワクチン接種が日本より先行した海外の研究結果と同じ傾向で、同グループは「3回目接種の議論に重要なデータになる」としている。
 同病院検査部の柳原克紀教授らのグループは、既感染者49人と未感染者113人(いずれも県内の日本人)を対象にワクチン接種前後の血液中の抗体価を継続的に測定。今回は10月30日までのデータを解析した。ワクチンは米ファイザー製で1回目の3週間後に2回目を接種。抗体価は高い方が感染を防ぐ作用が強いとされる。
 同グループによると、2回目接種から7日(1回目から28日)後の抗体価(数値化した単位はAU/ミリリットル)は、既感染者と未感染者の間に大きな差はなかった。ただ、2回目から7日後を基準にすると、未感染者はその8週間後に約27%、さらに20週後には約7.4%(平均値1653)まで低下。一方、既感染者は8週後に約63%、20週後でも約32%(同9001)を維持していた。
 柳原教授は「1653という数値はしっかりとした感染対策が必要と考えられる。3回目の機会があれば接種してほしい」と話す。


© 株式会社長崎新聞社