韓国公取委が「HOYAレンズ」韓国法人に制裁 代理店拘束でレンズ価格維持か

韓国でトップシェアを誇る日本のメガネレンズ企業が韓国公取委から是正命令と罰金を課せられた。

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日本のHOYAレンズの韓国法人である「韓国HOYAレンズ」は、韓国市場シェア40%を占める有力企業だが、その地位を利用して代理店が割引販売店と取引することを禁止していたとの理由で5700万ウォン(約547万円)の課徴金を課された。安い価格でレンズを売る割引販売店で自社のレンズが販売されると、周辺のメガネ店まで価格を下げる可能性があるとの恐れから、このような競争を防ごうとしたとみられている。

8日、韓国公正取引委員会は、韓国HOYAレンズのこのような取引行為が、「拘束条件付取引行為」や「再販売価格維持行為」に該当すると判断し、是正命令を下した。拘束条件付取引行為には是正命令に加えて課徴金5700万ウォンを賦課することに決めた。公正委は「代理店を通じた売上は10%程度水準であり、代理店に対して実際に供給中断や契約解除などの措置はされなかった点などを考慮した」と説明した。

韓国HOYAレンズは、代理店が割引販売店と取引することを禁止した。割引販売店の大々的な割引・宣伝によって、近隣メガネ店との価格競争が起きるためだ。安価な価格政策を実施し、これを大々的に宣伝するフランチャイズ企業が主な取引禁止対象にした。同社は内部メールを通じて「業界の常識ラインを超えた価格破壊行為によって近隣の直接取引メガネ(店)が大きな被害を見ており…被害が次第に大きくなっており、これ以上座視できない状況」であると告知したとされる。

同社はまた、割引販売店に商品を供給した代理店は、供給契約の解約などに対して民・刑事・行政上の異議を唱えないとの確約書まで求めていたとされる。さらに、すべての代理店を対象に、割引販売店との取引禁止や出荷停止など措置が可能であるとする旨を公文や電話で数回にわたり通知するなどしていたという。

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韓国HOYAレンズは、代理店の営業地域を限定し、代理店の営業地域外活動が同社の直接取引店などとバッティングした場合は、取引地域制限規定を活用して該当行為を制裁したとのこと。設定された営業地域は、代理店の営業範囲を確保するためではなく、自身の直取引営業を保護するための手段としてのみ活用したとされる。違反代理店には再発時に契約解除が可能だという公文を発送するなどしていたという。

公取委関係者は「今回の措置により、最終消費者と個別メガネ店の価格競争が活性化され、これを通じて高価に販売されている累進多焦点点レンズに対する消費者の負担が緩和されるだろう」と話した。

今回の件について、確認できるだけで約30の韓国紙が取り上げたが、韓国京郷新聞やソウル新聞は「HOYAレンズはだから高ったのか」という見出しで報じている。

この報道をみた韓国のネットユーザーからは、

「課徴金が5700万?冗談か?57億ぐらい取らないと…」

「眼鏡レンズ一枚に30~50~60万ウォンとか話にならない…」

「技術が良くて高いのかと思っていた…うちの父や母も使っているんだけどね」

「HOYAって日本の世界的なフィルター企業のことか?…HOYAのフィルターは良いよ。 少々高価でもドイツのローデンストックと比較される高級フィルターである」

「…多焦点レンズの片方が合わなくなったので店に行ったらHOYAは両方セットで販売する政策であると説明され…結局どちらも買うしなかった…」

「日本式なのか。それなら直接取引だけすれば良いものを」

などのコメントがネット掲示板に投稿されている。

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