ペドロ・アコスタ、カピロッシ以来31年ぶりにルーキーでチャンピオン獲得/Moto3

 11月7日、2021年MotoGP第17戦アルガルベGP Moto3クラスの決勝がポルトガルのアウトドローモ・インターナショナル・アルガルベで行われ、ペドロ・アコスタ(Red Bull KTM Ajo)が勝利を挙げ、ルーキーイヤーに2021年のMoto3チャンピオンに輝いた。

 アコスタは2004年5月25日生まれで、開幕時の年齢は16歳・現在17歳のスペイン人ライダーだ。5歳の時にダートバイクを初めて乗り、9歳になると地方の大会で優勝を挙げる。その後は、Moto3ジュニア世界選手権、レッドブルMotoGPルーキーズカップに参戦していく。

 2020年にはレッドブルMotoGPルーキーズカップでチャンピオンに輝くと、Red Bull KTM Ajoのライダーに抜擢され、今季からMoto3クラスへの参戦を開始した。

 すると、第1戦カタールGPでいきなり2位表彰台を獲得し、第2戦ドーハGPではピットレーンスタートから勝利。そして、第3戦ポルトガルGP、第4戦スペインGPと3連続で優勝を飾りチャンピオンシップリーダーに躍り出た。

 第8戦ドイツGP、第10戦スティリアGPでも勝利を重ね、第16戦エミリア・ロマーニャGPでは3位表彰台を獲得。そして、第17戦アルガルベGPで6勝目を挙げて、1戦を残してデビューイヤーにタイトルを獲得した。

 ルーキーが軽量級でチャンピオンを獲得するのは、1990年の125ccタイトルホルダーのロリス・カピロッシ以来。また、カピロッシが樹立した史上最年少記録の17歳と165日に1日及ばなかったが、史上最年少2番目となる17歳166日の早さでタイトルを決めた。

 2023年にはMoto3クラスの最低年齢が18歳に引き上げられることから、今後この記録は破られることはないだろう。

 アコスタは「ウォームダウンラップ泣いたよ。信じられない。インラップでは、この1年間に起こったすべてのことについて考えていたんだ。1年も経たないうちに、他のチームでここに来る機会を失ってしまったが、最終的にアキ(・アジョ)、レッドブル、KTMが僕に機会を与えてくれた」とチャンピオン獲得について語った。

「でも、彼らは僕にチームを与えたのではなく、家族を与えてくれた。僕ひとりではなく、みんなで勝ち取ったんだ。シーズンの途中に何度か悪いレースがあったり、クラッシュしたりしたときも、みんなは僕を信じ続けてくれた。誰もが僕を信じていて、これはチームのみんな、アキ、レッドブル、KTM、そしてメカニックのみんなのものだ。みんなだよ」

「僕は自分自身を誇りに思うのではなく、信じることをやめなかった彼らをもっと誇りに思っている。誰もがその話をしていた……我々は間違いなく一緒にやり遂げたんだ。彼らのおかげで、ひとりで走るのではなく、チームや親しい人たちと一緒に走るというメンタリティが身についたと思うよ。僕たちは一緒に勝利したことを知っている」

「僕は後ろを見ないで、ただプッシュすることを好んでる。僕にできることはただプッシュすることだけで、その通りにした。デニス(・フォッジア)と一緒に戦えたことを誇りに思うし、彼は来年のチャンピオンを目指して戦ってくれるだろう。彼らと一緒に戦えたことを誇りに思っているよ」

 アコスタは2022年に現在所属しているRed Bull KTM AjoからMoto2クラスにステップアップする。

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