〝隔離破り〟石川遼は「3試合出場停止だ!」ゴルフ界の重鎮が〝勧告〟

〝隔離破り〟の石川遼(東スポWeb)

処分の行方は――。男子ゴルフの石川遼(30=CASIO)の〝隔離破り〟が波紋を広げている。米国から帰国後の自主隔離期間中に一般客も利用するゴルフ場で調整し、飲み会もしていたと週刊誌が報道。石川は日本ゴルフツアー機構(JGTO)と選手会の副会長を辞任する意向を示し、今週の国内ツアー「三井住友VISA太平洋マスターズ」(11日開幕、静岡・太平洋C御殿場C)の出場も辞退した。今後の処遇が注目される中、本紙はゴルフ界の〝重鎮〟に見解を聞いた。

新型コロナウイルス禍において許されないルール違反を犯してしまった。9日発売の写真週刊誌「フラッシュ」によると、石川はカリフォルニア州で行われた来季の米下部ツアー出場権をかけた2次予選会を通過できず、帰国後の自主隔離期間中に千葉県内の一般客もいるゴルフ場でラウンド。しかも、関係者と複数名で飲み会までしていたという。

この日、石川はマネジメント事務所を通じて「この度の週刊誌報道に関しまして、支えてくださっているファンの皆様、関係者の皆様にご心配やご迷惑をおかけしておりますことを深くおわび申し上げます。帰国時に空港の検疫にて登録した待機先(ゴルフ場)で、入国者健康チェックを毎日受け、14日間の隔離を行っておりましたが、一部至らない点があったことを重ねておわび申し上げます」と謝罪コメントを発表した。

その後にJGTOとジャパンゴルフツアー選手会の副会長を辞任する意向と、今週の「三井住友VISA太平洋マスターズ」への出場辞退も表明した。今後の処遇は、JGTOが近日中に臨時理事会を開催して決定する見通し。現段階では石川の行動がジャパンゴルフツアー懲戒・制裁規定の違反行為に抵触するか否かを検証中だ。

これまでスキャンダルとは無縁と言っていい「ゴルフ界の優等生」に何が起きたのか。石川をよく知るJGTO元会長の小泉直氏(82=JGTO顧問)はこう言って猛省を促した。

「隔離期間中も練習を怠ってはいかんと思ったのかもしれないが、決めごとに逆らってはいけない。『これくらいなら…』という心のスキがあったような気がする。しっかり反省してイチからやり直すつもりでゴルフに取り組んでもらいたい」

JGTOは今後の処分について検討中だが、小泉氏は今季残り4試合の中で複数試合の「出場停止」が妥当と見ている。「年内いっぱいなのか、どのくらいのペナルティーになるか分からないが、私だったら(「三井住友――」に加えて)あと2試合は出場を停止して今季最終戦の『日本シリーズ』(JTカップ=12月2日開幕、東京)から復帰するようにする」。あくまで元会長の見立てとはいえ「ダンロップフェニックス」(18日開幕、宮崎)とホストプロを務める「カシオワールドオープン」(25日開幕、高知)の出場は厳しくなりそうで、小泉氏は事実上の3試合出場停止を〝勧告〟した。

ただ、これからのゴルフ界を支えていく人材として期待しているからこそ、小泉氏は「こういう逆境でこそ人間の真価が発揮されるもの。この機会に人間、そしてゴルファーとして、さらに成長してもらいたい」とエールを送ることも忘れなかった。もちろん〝隔離破り〟はあってはならないが、石川は今回の失態を糧にすることができるのだろうか。

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