デビュー50周年・藤波辰爾 古巣・新日本を語る「テレビで若手の選手に目を引かれました」

藤波(中)は「ネバーギブアップ精神」でリングに立ち続ける(東スポWeb)

〝炎の飛龍〟ことドラディションの藤波辰爾(67)がデビュー50周年ツアーをスタートさせた。1971年5月9日の日本プロレスでのデビューから節目を迎え、今なおリングに上がり続ける不滅のドラゴンは今後、どこに向かうのか。また来年に創立50周年イヤーを迎える古巣・新日本プロレスについて思うこととは――。

――今後の現役生活への意気込みを

藤波 これからプロレス界はどういう景色になっていくのか。ここまできたら、プロレス界の移り変わりをとことん見続けてやろうかと思ってますよ(笑い)。僕のように(現役を)継続して50周年というのは誰も経験していないのでね。できる限り現役として。

――引退の時期を設定していない

藤波 僕の場合、キャッチフレーズが「ネバーギブアップ」だから。全盛期は過ぎちゃっているけど、自分の体を維持してリングに立ち続けるというのは、自分自身挑戦だし。リングに上がる以上、元気じゃなきゃいけない。お客さんに元気を与えるには自分の体の見てくれもだし、健康も保たないといけないし。

――コンディションを維持するため意識していることは

藤波 少しずつでも(トレーニングを)継続していくことかな。負荷を減らす分、時間を取るとか。有酸素運動でも時折筋肉に刺激を与えながらやったりとか。

――今後のプランは

藤波 来年は1年かけて日本全国、自分のポイントとなるところを回って、50周年の試合をしていきたいなって。それで50周年のファイナルの場所に(師匠の)アントニオ猪木がいてくれたら最高なんですけど。

――その猪木氏が旗揚げした新日本プロレスも来年50周年。今の古巣をどう見ているか

藤波 選手が移り変わってファン層も変わってね。プロレスっていうのは力道山先生から猪木さん、ジャイアント馬場さんに移り変わって、次に僕らの時代が来てというように、年を追うごとに若返っていくものなんですよ。新日本もトップレスラーの棚橋弘至やオカダ・カズチカが頑張っているのは知っています。ただ、ついこの間ですけど、テレビで見たら若手の選手に非常に目を引かれました。

――次世代を担える若い世代が現れていると

藤波(うなずいて)黒いタイツで非常に元気がよかった。新日本プロレスもまた、こういう若い選手が出てきたんだなって思いましたね。自分自身の若いころをダブらせてしまうような選手もいました。名前は分からないけど(苦笑い)。

――今後のプロレス界にどうなってほしい

藤波 今年、僕は長州力、天龍源一郎と日本プロレス殿堂会っていうのを立ち上げました。プロレスをずっと応援してくれているファンのためにも、それを育てなきゃいけない。

――つまり「歴史」を大切にしないといけない時期にきていると

藤波 力道山先生から始まって、プロレスには70年の歴史がある。その歴史の年表をひもといていけば、いっぱい見過ごしてきたことがありますから。そこにこれからのヒントがいっぱいあるんですよ。特に新日本プロレスにはいっぱいある。それをもう一回見直してごらん、と思うんです。自分たちがいるプロレス界はどんなものなのか。

――古きを知り新しきを知る「温故知新」が必要だと

藤波 まさにそう。猪木さんがどんな大変な思いをしながら新日本プロレスを旗揚げしたのか。そして坂口征二さんと合流して、新日本プロレスがいかに盤石なものになっていったのか。その中には選手だけでなく、新間寿さんのような関係者のサポートもあって。550年の年表をひもといていけば、これからの新日本が発展するヒントがいっぱい出てくると思う。

――なるほど

藤波 なによりファンは本当にありがたいものなんですよ。ぼくが50周年を迎えられたのもファンのおかげです。感謝ですよ。

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