占い本の大ベストセラー「六星占術」で知られる占術家の細木数子さんが8日に死去していたことがわかった。養子縁組を組んだ娘で占術家の細木かおり氏が10日、自身のインスタグラムで明かした。83歳だった。
かおり氏は「悲しい出来事がありました」と切り出した後「母・細木数子が呼吸不全で8日に満83歳で永眠しました」と報告。続けて「いつかは訪れることだと分かっているけど、いざ直面すると想像以上に悲しいです。でも、引退してからは自宅で気ままにすごし ひ孫と笑顔で楽しそうに遊ぶ姿は、あの頃とはまるで違う優しい表情でした」と故人を偲んだ。
細木さんは1938年生まれ。1982年に独自の研究で編み出した「六星占術」に関する本を出版すると大ベストセラーとなり、一躍カリスマ占い師となった。
一躍お茶の間に浸透したのは2004年にスタートしたTBS系「ズバリ言うわよ!」だ。歯に衣着せぬ発言で人気者となり、13~15%の好視聴率を安定して記録。特番では瞬間最高視聴率30%超えを叩き出すこともあった。
そんな人気番組が2008年3月に突然終了。細木さんからの申し出によるものだった。
本人もその理由について多くは語らず、真相はいまも謎のまま。ただ、本紙記者との電話では「もうテレビは出ない。疲れるだけ」とうんざりした様子だった。
その上で話してくれたのは〝赤穂事件〟に思いを馳せた独自の見解だ。これは1702年12月14日、小雪舞う寒い夜に、赤穂浪士大石内蔵助率いる47人の浪士たちがそろいの装束で吉良上野介邸に向かい、主人の仇討ちをした事件。年末の風物詩「忠臣蔵」でも有名だ。
記者との電話で細木さんは「赤穂浪士も吉良上野介を討てたから、英雄視されているだけなのよ。失敗したらただのテロリスト。〝勝てば官軍負ければ賊軍〟。そういうことなのよ、アナタわかってる?」と噛みしめるように語っていた。
番組降板の流れからのエピソードが何とも意味深。降板の前後では週刊誌で細木さんのスキャンダルが報じられることもあった。
「TBSの〝視聴率女王〟としてもてはやされてきましたが、ある時を境に局内の空気の変化を感じていたようです。それで『もういい』となったのかもしれません」とはテレビ関係者。
細木数子事務所によると通夜・告別式は近親者や関係者のみで行い、お別れの会を14日、東京・港区の梅窓院で行うという。