細木数子さん死去 生前伝えていた人類への警鐘「地球は溶けるわよ」

〝環境少女〟だった細木さん(東スポWeb)

占い本の大ベストセラー「六星占術」で知られる占術家の細木数子さんが8日に死去していたことが分かった。養子縁組を組んだ娘で占術家の細木かおり氏が10日、自身のインスタグラムで明かした。83歳だった。細木さんは生前、本紙記者に〝遺言〟代わりの伝言をくれた。「地球が泣いている」――。この世界の行く末を危惧していた。

かおり氏はこの日、インスタグラムで細木さんの急死を報告。「いつかは訪れることだと分かっているけど、いざ直面すると想像以上に悲しいです」と吐露。「でも、引退してからは自宅で気ままにすごし ひ孫と笑顔で楽しそうに遊ぶ姿は、あの頃とはまるで違う優しい表情でした」としのんだ。

細木さんは1938年生まれ。82年に独自の研究で編み出した「六星占術」に関する本を出版すると大ベストセラーとなり、一躍カリスマ占い師となった。2004年には「ズバリ言うわよ!」(TBS系)をはじめ、人気タレントとしても活動。歯に衣着せぬ物言いで注目を集めた。

本紙記者の無礼な電話取材にも快く答えてくれた。あれは元「オセロ」中島知子(50)の〝洗脳騒動〟真っただ中の2012年。中島のパートナーとして「凄腕占い師」Aさんがクローズアップされた。

となれば、細木さんに聞いてみるしかない。電話で「Aさんのことご存じですか? 有名らしいのですが…」とたずねたところ「そんな名前聞いたこともない。インチキよ」と即答した。

ここで電話は終わらず、その後、細木先生の貴重な講釈を40分間、聞くことができた。中でも印象に残っているのが、この世界の行く末に関することだ。

細木さんいわく、小学生時代はおてんばで、おやつにアメを食べるのが大好きな子供だったという。細木さんは突然「小学校の先生が地球温暖化について話してくれて、とても印象に残っているのよ。幼心にビックリした」と回想。

そして「どうせ私は死んでるだろうけど、アンタたちは大変よ。今のうちから気を付けなさい」と前置きした上で、次のように断言した。

「このままだと地球は…溶けますよ。溶けてなくなる」

大好きだったアメと同じ理論のようにも思えるが、実際、細木さんの〝予言〟は現実化しようとしている。

温暖化で地球の平均気温は上昇。このままでは歯止めが利かなくなる。国際社会は「グレートリセット」と称し、脱炭素社会に向けての取り組みを重視。〝環境少女〟グレタ・トゥーンベリさん(18)がフィーチャーされるように、世界各国で環境破壊に対する抗議運動が活発化している。

細木さんはグレタさんが生まれる何年も前から〝環境少女〟だった。残した「地球は溶ける」という警告。われわれは真面目に耳を傾けなければいけない。

電話で解決策について聞いたところ「ご先祖さまの供養が大事。墓参りに行きなさい」と言われ、すぐに実家に帰ったことを思い出す。

細木数子事務所によると、通夜・告別式は近親者や関係者のみで行い、お別れの会を14日、東京・港区の梅窓院で行うという。

過激な発言で物議を醸すこともあったが、面倒見が良く、こちらの考えなど「お見通し」だった細木さん。天国から世界の行く末を見守ってくれているはずだ。

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