【動画】エンジニアに扮したハミルトンが子供たちにサプライズ

「より多くの人にチャンスを与えられるように」とルイス・ハミルトンがメルセデスF1のファクトリーに招待したのは、イギリスに住む3人の小学生。エンジニアリングやF1の世界で働くことを夢見る彼らを待ち受けていたのは、ルイス・ハミルトンからの『サプライズ』だった。

 メルセデスF1とそのスポンサーであるUBSにより企画されたこの動画では、エンジニア志望の3人の小学生がメルセデスF1のファクトリーを案内され、最後はハミルトン直々に彼らと交流する。ただし、ハミルトンと会えることは子どもたちには知らされていない。

 彼らにとってはルイス・ハミルトンは憧れの存在だ。見学の前、子どもたちのひとりイライジャはハミルトンについてこう語っていた。「ハミルトンは黒人の子どもたちに、出来ることはなんでもするべきだし絶対に夢を諦めてはいけないと思わせてくれるんだ」

 ハミルトンと会えるとはつゆ知らず、スタッフの案内のもとファクトリー見学を続ける子どもたちが最後に訪れたのは、メルセデスW12が鎮座する部屋。正真正銘のF1マシンにこの日一番のはしゃぎっぷりを見せる子どもたちだが、そんな彼らの姿を微笑ましげに見守るのが、エンジニアのデスに変装したハミルトンだ。

 案内役を任されたデスは、「ハミルトン以外の人はこのマシンに触っちゃいけないんだ」と説明しながら、あっさりとステアリングに触ってしまう。「デスがステアリングに触っちゃったよ」と困惑気味に笑みを浮かべる子どもたちだが、とうとう姿を表す時が来たようだ。

「なんで僕がこれに触っていいかと言うと、僕がルイスだからだよ」。そう言うとハミルトンはゴム製のマスクを剥がし、変装をといた。突然現れた憧れのドライバーに、感激のあまり言葉を失う子どもたち。どうやらサプライズは成功したようだ。

 その後、彼らと言葉をかわす中で、ハミルトンは子どもたちに優しくこう語りかけた。

「僕が君たちの年齢だった頃、色んな人に『お前はレーシングドライバーになれない』と言われたよ。でも僕は彼らが間違っていたことを証明した」

「君たちにもまったく同じことが出来るんだ。だから自分を信じ続けて欲しい。それがいちばん重要なことなんだ」

 このハミルトンの言葉は3人の若いエンジニアの胸にしっかり響いたようだ。「自分がなりたいものになれると思った」「もっと自分を信じる」と口々に語る彼らにとって、この日の体験は一生忘れることのできないものになったことだろう。

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