【セCS】エース菅野が背信KOで巨人崖っぷち 戸郷に「クビ」の毒舌発射で復活期待も…

川端に押し出しの四球を与え悔しがる菅野(東スポWeb)

巨人は11日のヤクルトとのCSファイナルステージ第2戦(神宮)に0―5で零封負けを喫し、今季完全終戦の崖っぷちに立たされた。阪神とのファーストステージから中4日で先発した菅野智之(32)は6回途中5安打5失点。初戦からの悪い流れを変えられず、エースの責務を果たせなかった。

何とも言えない複雑な表情を浮かべながらマウンドを降りた。5回まで1点で抑えたが、6回に暗転した。まずは村上の左前打を滑り込みながら捕球しようとした左翼手のウィーラーが後逸(記録は二塁打)。続くサンタナのゴロをさばいた遊撃手の坂本は一塁へ悪送球…。守備からリズムが乱れ始めた。

ベンチが取った満塁策も誤算となった。二死二、三塁から原監督はマウンドへ上がり、次打者の西浦を申告敬遠で歩かせて塁を埋める決断を下した。菅野も代打・川端を2ストライクと追い込んだが、7球目の直球が外角に大きく外れて痛恨の押し出し。続く塩見に左中間を真っ二つに破る3点適時三塁打を浴びると、ここで再び原監督がベンチを出て、交代を告げられた。

0―5で力なく押し切られた試合後、指揮官は「粘りながらね、よく1点で抑えながら、というところ」と背番号18をねぎらった。満塁策は「動いて、そして相手を動かして」と相手先発を降ろすため、仕掛けた結果と振り返った。一方、菅野は「今日のことを振り返っても仕方がないので前だけ見て、次登板する機会に向けてしっかり調整します」と強気に前を向いた。

この日の菅野にはチームに流れを呼び戻す力投が期待されていた。9日の神宮でのナイター練習中の出来事だった。ブルペンでバント練習を行う戸郷に、菅野は「もう(バント練習を)やる必要ないよ。(先発は)クビでしょ」と笑顔で声をかけた。

先発だった戸郷は終盤に調子を落とし9勝(8敗)に終わるとCSでは救援に回っていた。もちろんこれは愛のあるイジリ。菅野自身、今季は4度の離脱もあり6勝7敗の成績。不在の間、カバーしてくれた後輩を発奮させるためのゲキだった。

この様子に球団関係者は「菅野に〝毒舌〟が出てくるのは調子がいい証拠。中4日でもやってくれるはず」と完全復活の兆しと見ていたが…。結果にはつながらず、王者ヤクルトの前に力尽きた。

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