日本ハム・新庄監督が〝守り勝つ野球〟に回帰 理想とする「2006年のサヨナラシーン」とは

2006年、プレーオフ第2戦でソフトバンク・斉藤(手前)を攻略しサヨナラ勝ち(東スポWeb)

「ビッグボス」新庄剛志監督(49)が、日本ハムのお家芸である〝守り勝つ野球〟への回帰を目指す。

8日から10日まで、3日間にわたった沖縄・国頭秋季キャンプ視察を終え沖縄を離れた新庄監督。11日のツイッターには「関東でメッチャ美味しい親子丼屋さん教えて~!?」と指揮官の顔からインフルエンサー、新庄剛志の顔へと戻り、SNSのフォロワーから広く情報を募った。

そんな新庄ビッグボスだが、4日の就任会見では目指すチームの方向性についてこんなことを語っていた。

「こういう野球でヒットを打たなくても点は取れるんだぞ、という作戦面での面白さ。こんなやり方があるんだを僕たちが先に発信して、他の球団にマネされるようなことを考えていますね」

具体的な方法についてはもちろん明かしていないが、現有戦力の特徴がチーム防御率3・32(リーグ3位)、同打率2割3分1厘、454得点(いずれも同6位)という投高打低という難問を抱えていることから、日本ハムのチーム作りの原点である「投手を中心とした守り勝つ野球」への回帰が現実的な再建の方向性となってくる。

理想としてはチーム打率、得点ともにリーグ最下位ながら少ない得点を守り抜きリーグ連覇を果たした2007年に近づくような野球。攻撃面の具体例では、その前年06年のプレーオフ第2戦で当時、難航不落だったソフトバンクの大エース・斎藤和巳(シーズン18勝5敗、防御率1・75)から、0―0の9回裏に二死一、二塁の好機を作り、現GMの稲葉の二ゴロ内野安打の間に二塁走者・森本が本塁生還を果たしたあのサヨナラシーン。全員がギリギリの全力疾走で勝機をつなぎ、ソツのない野球で難敵を攻略した、あのファイターズ野球を取り戻すことに他ならない。

3日間の秋季キャンプ視察で新庄監督が「選手の身体能力を見たい。特に足のスピードと肩の強さをチェックしたい」と語っていたのも、今ある武器で即効性のあるもの。ひとつ前の塁を奪う足であり、相手の進塁を許さない守備力の底上げをチーム力向上のカギとしているからのようだ。

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