ゲーム喫茶店強盗殺人、被告に無期懲役 那覇地裁

 那覇市具志のゲーム喫茶店で昨年5月、従業員の男女2人が刃物で切り付けられ死傷した事件で、強盗殺人と強盗殺人未遂の罪に問われた糸満市の土木作業員の男(51)の裁判員裁判で、那覇地裁(大橋弘治裁判長)は12日、求刑通り無期懲役を言い渡した。

 公判では殺意の有無と、自首が成立するかどうかが争点となった。検察側は被告が行きつけのゲーム喫茶店の現金を奪い、従業員を殺害しようと考えたと指摘。被害者2人が財布を出した後に攻撃を加えていることや、傷の状態などから殺害の意図があったとした。被告は事件の翌日に出頭したが、県警はその前に被告の犯行と把握していたとし、自首は成立しないとした。

 弁護側は弁論でカッターナイフで脅すだけのつもりで、人を傷つけるつもりはなかったと反論。殺意はなく、強盗致死と強盗傷人の罪にとどまると主張していた。
 起訴状によると、20年5月25日午前6時8分ごろ、女性従業員=当時(47)=の首にカッターナイフを突き付けて、30代の男性従業員に「財布を出せ」などと要求した。男性従業員の首などを切り付けてけがを負わせたほか、女性の右腕と首を切り付け、失血死させたとしている。
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