村田諒太VSゴロフキン中継態勢も規格外! フジ、アマゾン、DAZNが歴史的大連携

メガマッチがついに実現(東スポWeb)

ついに実現だ。WBA世界ミドル級スーパー王者の村田諒太(35=帝拳)とIBF世界同級王者のゲンナジー・ゴロフキン(39=カザフスタン)の統一戦(12月29日、さいたまスーパーアリーナ)が12日に正式発表された。日本の誇る中量級スターが同級レジェンド王者を迎え撃つ〝世紀の一戦〟は、巨額を動かすメガファイトとして日本ボクシング史にその名を残すことは間違いない。この開催にはどんな経緯があったのか、舞台裏を探った。

2019年12月以来となる2年ぶりの試合、さらにかねて熱望してきたゴロフキンとの対戦が実現し、村田は周囲に感謝した。その上で43戦41勝のゴロフキンがスーパーミドル級4団体統一王者の〝カネロ〟サウル・アルバレス(メキシコ)には1分け1敗となっていることにも「両方とも(判定でゴロフキンが)勝っていた試合だと思うし、彼は事実上全勝の選手だと思っている。その選手に勝って最強を証明したい」と腕をぶした。

動く金額でいえば、1990年2月に東京ドームで行われた元統一ヘビー級王者マイク・タイソンの世界戦を超えるという声も聞かれるメガファイトは、中継態勢も異例だ。これまで国内の村田の試合は主にフジテレビが担っていたが、定額制サービス「Amazonプライムビデオ」で独占生配信される。

地上波でのライブ中継がないことに帝拳ジムの本田明彦会長は「地上波なら(視聴率)30%いくかも」としつつ「(地上波が)もうダメというわけではない。今回は申し訳ありませんねといってやっているわけだから。制作だけはフジテレビさんにお願いしている」と協力態勢を強調した。

アマゾン社関係者も「交渉を進める中で豊富な(中継経験のある)フジテレビさんに協力を依頼することになった」と言い、さらに別の同社関係者は「ボクシングは高いポジションでお客さまが見たいコンテンツに入ってくる。日本国内をわれわれがお預かりして、国外は(ゴロフキンと契約を結ぶスポーツ動画配信サービス)DAZN(ダゾーン)さんでということになっています」。

アマゾン、DAZN、フジテレビと〝メガマッチトリオ〟で中継を支えるという。

このメリットは大きい。国内外ボクシング関係者はこう感嘆する。

「これは分散型の新しい形といえる。ゴロフキン選手のファイトマネーはDAZNが出し、日本側は村田選手の報酬、会場費、経費を持つこととなる。DAZNは自分の選手のファイトマネーを負担し映像も流せる。日本側は巨額のゴロフキンのファイトマネーを負担せず映像化できる。おのおのがそれぞれを負担する、絶妙なバランスのビジネス」

国内史上最大のメガファイトはボクシングイベントの未来も描くのか。大決戦はリング内外で注目を集めることになりそうだ。

© 株式会社東京スポーツ新聞社