補強費増額は“望み薄”… 西武が外国人選手総入れ替えの「大博打」へ

退団の決まったスパンジェンバーグ(東スポWeb)

42年ぶりの最下位に沈んだ西武が、ギャレット、ニール、ダーモディの3投手と、スパンジェンバーグを合わせた4選手と来季の契約更新をしないことを12日に発表した。7月に本人の希望で退団したメヒアを含めると、今季在籍した外国人5選手全員の退団が決まった。

渡辺久信GM(56)が「(外国人は)新たにというところになっていくと思います」というように来季の外国人を総入れ替えする方針だ。

球団は先日、外国人スカウト網強化のため元オリックス、日本ハムなどで活躍し大リーグ・カブスなどでのスカウト経験から日米球界に精通したセギノール氏と駐米の国際業務担当契約を結んでいる。

日本側の渉外担当者がここ2年連続で交代している部分を見ても、ここ数年、西武が外国人補強面で苦戦を強いられている様子がうかがえる。

かつて球団が15度のリーグ優勝を含む25年連続Aクラスを堅持していた堤オーナー時代は当時、カナダ・トロントにあったプリンスホテルの支配人で国土計画、アイスホッケー日本代表で監督も務めた日系カナダ人、メル・若林氏が外国人補強に関する特命を受けていた。

渉外に関する全権を握り独自の情報網を駆使してデストラーデ、フェルナンデス、カブレラら球団史に残るそうそうたる助っ人を獲得した時代があったが、今は隔世の感がある。

現在は、親会社である西武ホールディングスの22年3月期の最終赤字が140億円に下方修正されたこともあって補強費の増額は望み薄。ただでさえ、ここ数年は予算枠が制限され「基本的にトレードマネーの発生する40人枠の選手は対象外。FA市場の中からメジャーが獲らない3Aクラスをピックアップするしかない」(球団関係者)という状況の中での外国人探しが続いている。

それを考えれば一気に4~5人の外国人入れ替えはやはり大博打と言わざるを得ない。

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