〝日本一でヒゲ卒業〟公約 鷹・藤本監督がチームの結束期待「盛り上がってくれたら最高」

ソフトバンク・藤本博史監督(東スポWeb)

チームの結束がさらに強まりそうだ。ソフトバンク・藤本博史監督(58)が13日、就任1年目となる来季の〝ポジティブ公約〟として「日本一になったらヒゲを剃ります」と明言。人望厚き指揮官はトレードマークがなくなる喪失感よりも、悲願成就への気概を周囲に示すことで、チーム全体のモチベーションにつながることを期待している。

宮崎秋季キャンプ休養日となったこの日、ここまでの練習過程を満足そうに振り返った藤本監督は、オンライン取材の最後にアッと驚く〝公約〟を披露した。「日本一になったら剃りますよ」。

就任以来、各メディアでトレードマークとなっている口ヒゲにまつわる質問を受け続けてきた指揮官。持ち前の度量のデカさで、どんな時も耳を傾けてきた。地元テレビ局の番組などで「公約」を匂わせてはいたが、この日の取材で明言した。

現役時代に定着した「ヒゲの藤本」。誕生秘話を明かしつつ、日本一達成でヒゲ卒業を決意した真意を打ち明けた。

「このヒゲっていうのは、野球をやっている以上は目印になるようにやっていたんです」

現役時代、視力が低下した亡き祖父が、当時の同僚・岸川勝也氏(56=現野球解説者)と見分けがつきにくいということから自身で発案。代名詞となり今に至るが、一軍監督に就任したことで一大決心した。

「もう、おじいさんも亡くなりましたから。日本一っていうのは『最高峰』。そこまで行ったら、新たな気持ちでヒゲを剃ります!」。爺ちゃん孝行を済ませた心優しき58歳は〝常勝軍団再生〟という大業を託され、ポジティブな公約を掲げた。

大阪人らしく周囲を和ませる気質にあふれ、プロ野球人としてエンターテイナーの心意気を持ち合わせる藤本監督。公約として対外的に示すことで、選手だけでなくファンを含めたホークス全体の〝結束〟を期待した。

「そういうので盛り上がってくれたら最高ですよね。いつでも剃りますよ!」。その人柄から、すでに藤本政権誕生を機に「藤本さんのために」という声が、選手の間から相次いで聞こえてくる。

選手に寄り添う指導と「1点にこだわる野球」を信奉する新指揮官。まずは鷹ファミリーのハートを鷲づかみにして、Bクラスからの巻き返し、王座奪回へ突き進む。

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