【フィギュア】天才・高橋大輔“ゾーン”入った! 驚異の進化を裏付ける独自の「視界」とは

村元(左)との視線もバッチリの高橋(東スポWeb)

恐るべき進化を遂げている。フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第4戦のNHK杯(東京・代々木第1体育館)で、アイスダンス結成2年目の〝かなだい〟こと村元哉中(28)&高橋大輔(35=ともに関大KFSC)が日本歴代最高スコアとなる合計179・50点をマークして6位。全日本3連覇でアイスダンスの〝大先輩〟でもある小松原美里&尊(倉敷FSC)の172・20点(7位)を上回り、北京五輪出場「1枠」を懸けた最終選考会・全日本選手権(12月、さいたまスーパーアリーナ)を前に一歩リードした。

試合後、2人はともに成長を確信。特にシングルから転向して2季目の高橋は別人のようになった。トレーニングの成果で肉体は頑丈になり、シングルで何度も世界を取ったスケーティングセンスはアイスダンスでもピカ一。何より高橋自身が完全に〝ゾーン〟に入っている。

高橋には独特の「視界」があり、シングル時代は「いい時はお客さん一人ひとりの顔がハッキリ見えた」と明かす。しかし、アイスダンスに転向すると不思議なことに真逆の現象が起きた。集中してスイッチが入ると「哉中ちゃんの顔だけにピントが合って、周りがボヤける感じ」と説明。

今年1月の時点では「まだ100%そのゾーンに入ったことはないけど、もしそうなったらいいプログラムができると思う」と話していたが、今大会フリーの演技後に高橋は「あまり周りが見えていなくて、終わった後にたくさんの人が来てくれている景色を見ることができた」と語った。

一方、パートナーの村元も「大ちゃんがゾーンに入って周囲がボヤけている時は分かる」といい、この試合では「ホントに最後の演技が終わるまで大ちゃんしか見えていなかった」と振り返る。つまり、互いに相手の顔にピントが合い、ゾーンに入っていたことが分かる。

天才の「視界」から考察するに、世界を制する日もそう遠くなさそうだ。

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