サッカー韓国代表のパウロ・ベント監督が遠征時の航空便で選手たちにビジネス席を譲り、自らエコノミー席を申し出た〝男気〟に称賛が集まっている。
韓国代表チームはカタールW杯アジア最終予選のイラク戦に向けて、14日午前に仁川国際空港から開催地のカタール・ドーハへ出発。しかしここでアクシデントが起きた。
韓国メディア「ニュース1」によると、ドーハは中東や欧州の経由地として利用者が多く、新型コロナ禍により減便している影響もあって「サッカー協会レベルでは、飛行機のビジネス席を確保することが容易ではなかった」とビジネスクラスのチケットをチームの人数ぶん確保できなかった。
なんとか「協会は努力の末に24枚のビジネス席を確保した」が、ここで問題が浮上。「コーチングスタッフを含む選手団が24人以上だった。ここでベント監督は『選手たちの体調が最も重要だ。私は大丈夫だ』と申し出て、自身のビジネス席を選手に譲った」という。チームのトップである監督が最優先されるケースが多いが、ベント監督は長時間のフライトにもかかわらず進んでエコノミー席を買って出たのだ。
ベント監督の申し出により、スタッフ全員がエコノミー席となり、選手全員が無事にビジネス席に座れることに。同国サッカー協会関係者は「一部の選手がベント監督のためにビジネス席を譲歩すると言ったにもかかわらず、ベント監督の意は明らかだった。選手たちに最高の体調でイラク戦に臨ませたかった」と説明。
当初は選手たちがベント監督にビジネス席に座るよう勧めたが、指揮官は固辞して選手優先を貫いたという。
この男気にチーム内外から称賛の声が上がっている。隣国の韓国は指揮官が巧みな人心掌握術でチームの士気を高めているようだ。