1型糖尿病で患者会 栃木県内医師ら立ち上げ、高校生や成人支援

宮下さんが日頃使うインスリンと血糖測定器。宮下さんは「患者の悩み事に寄り添った会になってほしい」と願う=4日午後、宇都宮市内

 血糖値を下げるインスリンを体内でつくれない「1型糖尿病」の全県的な患者会「とちぎヤングの会」が10月、栃木県内の医師らによって立ち上がった。「ヤング」は高校生以上で成人を含む年代を指すという。ヤングの患者やその家族の支え合いの場になるとともに、病気や治療の知識などの情報を行き渡らせることが期待されている。年度内にも会員の募集を始め、来春にはウェブ講演会を開く予定だ。

 1型糖尿病は小児期に発症することが多く、県内では、小児患者向けの催しなどが行われてきた。一方、大人では有志レベルの患者の交流はあっても、支援は手薄だったという。

 【1型糖尿病】すい臓のインスリンを分泌する細胞が何らかの原因で破壊されることで発症する。生活習慣が要因の2型糖尿病とは異なる。患者は不足したインスリンを自己注射で補いながら生活する必要がある。小児期を中心に発症し、近年の患者数は全国で10~14万人と推定されている。

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