佐藤琢磨主宰のキッズカートが2年ぶりに開催「2022年に向けて良いニュースが届けられる準備をしている」と琢磨

 インディカー・ドライバーの佐藤琢磨が主宰する「TAKUMA KIDS KART CHALLENGE 2021」大会が11月13~14日の両日、秋晴れのツインリンクもてぎのモビパークカートコースで開催された。

 同大会は琢磨が東日本大震災の復興支援として始めたWith you Japanの活動から子供たちをサポートするために派生し、今年で8年目となった。昨年はコロナ禍のため、リモート開催となったが、今年は緊急事態宣言も解除され、モビリティランドの協力のもとで感染対策を行って実施された。

 この大会は日本全国27カ所のレンタルカート場でタイムトライアルをした小学生のうち上位の選手が選抜されて、もてぎに招かれた。全国で延べ787人の子供たちが、4371回ものタイムトライアルをしたという。

 13日は昨年コロナ禍でこの大会に来られなかった子供たちのリベンジマッチとなり、14日は今年チャレンジした子供たちのファイナル大会。会場には日本は北海道から沖縄まで94名が集まった。

全国各地から94名が参加したAKUMA KIDS KART CHALLENGE 2021

 子供たちを7グループに分け、練習走行とタイムトライアルを行った後に、予選ヒートのレースを行って、それぞれ上位3名の選手が決勝ヒートに進出。4グループに分けられた決勝ヒートに進出したドライバーのうち、さらに上位3名が決勝ファイナルに進出してレースを競い合った。

 琢磨は基本的なルールからカートの操作方法、コースのライン取りなどを丁寧に指導。また子供たちも走行が終わると琢磨に質問に行ったり、中にはレース中の接触やスピンでヒート進出が果たせず涙する子供もいた。

 決勝ファイナルは上位に進出した子供達らしく素晴らしいバトルが展開され、8周のレースで優勝したのは大阪から来た黄 海仁(ファン・ヘイン)君、小学4年生。

 黄君は「ポールポジションから優勝できてうれしい」と喜びを語った。

TAKUMA KIDS KART CHALLENGE 2021表彰式
グリコワゴンとデモンランを行う佐藤琢磨

 最後に琢磨はスポンサーのグリコワゴンとデモンランをした後に、カートのデモンストレーション走行を披露して、子供たちに喝采を浴びていた。

「昨年はリモートでしか開催できませんでしたけど、今年は多くの関係者のご協力と父兄の皆さんのご理解もあって、無事に開催することができて本当に感謝しています」

「子供たちも日本全国でタイムトライアルをしてここに集まってくれて、今日も一生懸命熱い走りをしてくれました。今日の経験を生かしてカートにステップアップしたり、レーシングドライバーを目指してくれるような子供たちがいれば本当にうれしいと思います」と琢磨。

 子供たちは最後にグリコワゴンからおやつをプレゼントされ、笑顔で帰路に着いた。

 決勝ファイナルに進んだ子供たちは12月に行われる「TAKUMA KIDS KARA ACADEMY」に招かれ、さらに大きなカートで受講する予定だ。過去の卒業生はここからカート選手になったり、鈴鹿レーシングスクールに進む子供たちもいて、将来が楽しみでもある。

 琢磨は9月のインディカー最終戦ロングビーチ以来、最初の公の場所に登場となった。

 日本帰国後の自己隔離期間を終え、日本国内では初仕事。冬の間は来季に向けて国内で奔走することになるが、気になるのは2022年の動向だ。

 10月にレイホール・レターマン・ラニガンの離脱が発表されて以来、続報はなかったが「来季に向けて皆さんに向けて良いニュースがお届けできるように準備している最中です」と正式な表明はなかったが、近いうちに正式なアナウンスがされると考えて間違いなそうだ。

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