【ボクシング】再戦決定の拳四朗&矢吹陣営がJBCへ不満爆発! 情報の〝隠ぺい〟を指摘

激闘を繰り広げた2人だが、共にJBCの対応に不満(東スポWeb)

思わぬ事態へ発展した。9月22日のWBC世界ライトフライ級タイトルマッチの〝バッティング騒動〟をへて再戦が正式に決まった前王者・寺地拳四朗(29=BMB)、現王者・矢吹正道(29=緑)の両陣営が15日、大阪府内で開かれた記者会見で日本ボクシングコミッション(JBC)の対応を巡って怒りを爆発させた。

この日の会見には同試合プロモーターの真正ジム・山下正人会長、拳四朗の父でBMBジムの寺地永会長、矢吹陣営の緑ジム・松尾敏郎会長が列席。山下会長は世界ボクシング評議会(WBC)から「再戦指令」があったことを明かし、両陣営も再戦を合意したが、会見ではJBCの対応に疑問符が付けられた。

同試合では第9R、矢吹のヒッティングによって拳四朗が右目上をカットして大流血。拳四朗はTKO負けを喫してV9を逃したが、陣営は日本ボクシングコミッション(JBC)へ「故意のバッティング」を主張する意見書を提出。そして、先月26日にJBCは文書で「現場における判断として不合理とは認められない」と回答した。この時点でWBCからの再戦命令が内示されていたとみられるが、両陣営へ〝隠ぺい〟したとの批判が持ち上がった。

山下会長は「JBCに問い合わせても分からない状況。10月にWBCからJBCに再戦命令のレターが来たと話を聞いていた」といい、松尾会長は「僕は1か月以上、ヘビの生殺し。先月29日にJBCの成富(毅)事務局長に電話したら『次の試合は緑ジムがチャンピオンですから選択試合してください。再戦命令はきていない』とハッキリと僕は聞いた。録音もとってあるので、言い逃れはできない」と名指しで憤慨。さらに「今のJBCの体たらく。成富事務局長も目の前で(試合を)見ているので、もう少し判断できた。そういう判断できない人がJBCの事務局長に座っている。きっちりした対応を取っていただきたい」と話した。

一方、寺地会長も「11月10日に事務局長から携帯に電話があって『9日にWBCから再戦命令があった』と言っていた。10月中には再戦命令が出ていたと聞く。辻褄が合わない。試合もJBCの管理なく行われ、あいまいな返答で間違いを認めない。そのようなコミッションに憤りを覚えている」と激怒。その上で「我々は矢吹選手にではなく、コミッションに対して文句を言っている」と主張した。

再戦する両陣営がまさかの〝呉越同舟〟となり、JBCへの不満で一致。山下会長は「自分は中立な立場」としながらも「(騒動の)入り口として、JBCが間違っていると言いたかった。これによってみんなが戸惑っている。圧力ではないが、それは強く訴えたい」と改めてJBCを牽制。くしくも3者とも「対JBC]の構図を取り、騒動は予想外の方向へ流れていった。

今後のJBCの対応が注目される。

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