「革命戦友」、再確認される朝中の協力団結 友好条約60周年、金正恩総書記と習近平総書記が交わす祝電の意味

2021年は朝中友好協力と相互援助に関する条約締結60周年にあたる。

それに際して、朝中首脳は祝電を交換した。敵対勢力の悪辣な挑戦と干渉が続く中、社会主義共同戦線を形成した朝鮮と中国の戦略的疎通は、この条約の今日的意味を改めて浮き彫りにしている。

朝中友好協力と相互援助に関する条約締結60周年に際し、朝中首脳が祝電を交換した。(労働新聞)

朝中親善の政治法律的基礎

1961年7月11日、金日成主席が周恩来首相と共に北京でこの条約に署名した。

反米という一つの塹壕の中で共に血を流して戦った戦争の砲火が停戦協定の締結(1953年7月27日)によって止まり、8年が経った時点であった。

当時、朝鮮半島と地域の情勢は厳しく複雑さを増していた。戦争の砲煙がまだ消えぬ1953年10月1日に南朝鮮と相互防衛条約を締結した米国は、1960年1月19日、日本との相互協力及び安全保障条約を締結(1951年9月8日に締結された日米安保条約の改定)した。

一方、南朝鮮では1961年5月16日、4.19人民蜂起を契機に噴出した自主・民主・統一の志向を踏みにじるグデータが起きた。米国の意向に沿う軍部の親米極右集団が軍事政変によって権力を奪取した。

それから60年の歳月が流れた。世界には二国間条約を締結した国々が数多くあるが、朝中の友好親善は特殊である。

当事者たちは、それを「反帝自主・社会主義の道で結ばれた革命戦友」の関係と規定する。圧力と打算の主従関係によって特徴づけられる「同盟」とは異なるということだ。

朝中友好協力と相互援助に関する条約には、双方は、いずれか一方に対するどのような国からの侵略であっても、これを防止するためにすべての措置を共同で講じる義務を担うという条項がある。

習近平総書記は、条約締結60周年に際し、金正恩総書記に送った祝電の中で、中朝の老世代リーダーたちは、遠い将来を見越して、この条約を締結する戦略的決断を下すことにより、両国の人民が血で結んだ戦闘的親善を強固にして、両国の長期的な友好協力を推進するための重要な政治・法律的基礎を築いたと指摘した。

金正恩総書記は祝電の中で、この条約は敵対勢力の挑戦と干渉策動がより悪辣になっている今日、両国の社会主義偉業を守り、推進し、アジアと世界の平和と安定を確保するうえで、さらに強い生命力を発揮していると述べた。

朝鮮国務委員会が朝中友好協力と相互援助に関する条約締結60周年に際し、宴会を催した。(朝鮮中央通信=朝鮮通信)

現在の情勢下で高まる重要性

朝中間で結ばれた条約の意義は、60年という歳月の中でも、少しも色褪せることなく、金正恩総書記が祝電の中で指摘したように、現在の国際情勢下では、その戦略的重要性がさらに増している。

朝中首脳は、今年3月にも口頭親書を交換した。金正恩総書記は口頭親書で、1月に行われた労働党第8回大会で朝鮮半島情勢と国際関係の状況を真摯に研究・分析したうえで、国防力強化と北南関係、朝米関係に関する政策的立場を討議決定したことを伝え、「敵対勢力の全方位的な挑戦と干渉策動に対処し、朝中両党・両国が団結と協力を強化する」ことを強調したという。

近年、朝中間の戦略的意思疎通の焦点は、地域の平和と安定のための積極的な貢献に当てられている。

中国共産党が指導する社会主義を「独裁体制」と見なし全面否定する勢力は、中国に既存の国際秩序に対する「挑戦」「脅威」のレッテルを貼り、不当な内政干渉を続けるだけでなく、台湾海峡の軍事的緊張を煽る世論戦も展開している。朝鮮は中国が台湾、香港、新疆ウイグル、チベット問題などで核心的利益を守り、国家の主権と領土保全を守るために行う措置を全面的に支持し、朝中両国が緊密に団結し、戦略的な協力関係を強化発展させていけば、敵対勢力の挑戦と干渉策動を粉砕することができるという立場を繰り返し表明している。

朝鮮と中国は60年前に締結された条約によって担保された強力な共同戦線を地域の平和と安定の守護へ指向させている。

一つの塹壕の中で共に戦い勝利した戦友たちの団結力は、分別なく混乱を助長する挑発者の力を圧倒する。

祝電交換を介して共有されるのは、勝利者としての誇りと信念だ。新たな時代に入り幾度となく直接会談し、密接な疎通を通じて社会主義を力強く推進させてきた朝中の両首脳は、20世紀に老世代リーダーたちが築いた共同の財産を新たな戦略的高みへと押し上げている。

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