髙見大司教 29日尋問へ 性被害訴訟 長崎地裁

 カトリック長崎大司教区の男性神父から性被害を受け、大司教区の事後対応で心的外傷後ストレス障害(PTSD)が悪化したとして、県内の女性信徒が大司教区に550万円の損害賠償を求めた訴訟で、長崎地裁は15日、大司教区トップの髙見三明大司教への尋問を29日に実施することを決めた。
 女性側の代理人によると、15日の非公開の進行協議で確認した。
 訴状などによると、2018年に性被害を受けた女性に対し大司教区は翌19年、賠償金を支払った。だが、髙見氏がその後の内部会議で「(女性を)『被害者』と言えば誤解を招くので『被害を受けたと思っている人』など別の表現が望ましい」などと発言したとする議事録を大司教区は別の神父らに配布。女性は被害がなかったかのような表現にショックを受けたとしている。
 大司教区側はこれまでの弁論で、髙見氏の発言は「示談した事実を知らない知人記者の言葉を紹介したにすぎない」などと主張。女性側は「大司教区には女性の名誉を侵害しないようにする注意義務があった」と訴えている。


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