忘年会「毎日顔合わせる人と」 長崎大学病院・泉川教授 年末年始コロナ対策で見解

データを示しながら感染対策の重要性について話す泉川教授=長崎市坂本1丁目、長崎大学病院

 長崎大学病院感染制御教育センター長の泉川公一教授は16日、長崎市内で会見し、年末年始の新型コロナウイルス感染対策について見解を示した。忘年会など大人数で飲食する場合、「毎日顔を合わせる人」や「参加者全員がワクチンを打っている」などの条件を付けた上で「短時間で一定のルールを決めてほしい」と呼び掛けた。
 帰省や旅行については「行き先がどういう状況かを把握し、『どうかな』と思う場合は中止する勇気を」持つよう慎重さを求めた。
 感染第5波が急速に収束した要因として、基本的な感染対策とワクチン接種などの効果を挙げながらも「はっきり分からない」と説明した。第6波も「どんな形で来るのか、来ないのか分からない」とする一方、「一番悪いシナリオに備えたい」と強調。第5波を超える規模でも対応できる医療体制構築に向け「総力戦でやっていく」と述べた。
 3回目接種については、2回目から一定期間経過すると抗体価が下がる研究結果などを基に、高齢者やリスクのある人から順に接種する国の方針を支持。さらに「ワクチンは万能ではない」と指摘し、これまで通り3密回避や手指消毒、マスク着用を続けるよう市民に要請した。


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