IT企業シーエーシー新拠点が長崎に開所 AI活用した開発システムなど紹介

シーエーシーが開発した人流の推移を検知するシステムを紹介する社員(左)=長崎市、シーエーシー長崎NBCオフィス

 長崎県と長崎市が誘致したIT企業シーエーシー(東京)の新拠点「長崎NBCオフィス」の開所式が17日、同市内であった。人工知能(AI)を活用してシーエーシーが開発したシステムなどが県市の関係者らに紹介された。
 同社は2019年7月、同市元船町のオフィスビル内に初の拠点「長崎センター」を設置。企業の人事給与業務などを受託するBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)に取り組んでいる。
 第2拠点の開設はBPO受託増加に伴う業務拡大が目的。広さは計約650平方メートルで、同市尾上町の長崎放送(NBC)新社屋の企業誘致スペースに設置した。シーエーシーの技術を体験できる設備や、同社と共同の研究開発などに使用できる会合スペースがある。
 現在、長崎センターで60人が勤務。同オフィスは15人が今月1日からBPO業務に携わっている。今後3年間で、2拠点で計約80人を県内から新規雇用する計画という。
 この日、出島メッセ長崎(尾上町)で開かれた式典には県や市、長崎大の関係者ら18人が出席した。西森良太社長が「(新拠点を活用し)長崎の皆さんとデジタル先進県にしていければと思う。IT企業として産業構造の改革に寄与したい」とあいさつ。テープカットで祝った。
 新拠点にある、AIを活用した技術体験のコーナーでは、カメラを通して繁華街などで追った人の流れを記録したり、表情筋の動きから感情を推定したりするシステムなどを紹介。社員が実演を交え、仕組みを説明した。
 中村法道知事は取材に「(同社の技術は)多くの分野で業務効率化に活用できると感じた。地元産業界とも協力して新しい技術も開発してほしい」と期待感を示した。

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