重量挙げ女子で2012年ロンドン五輪銀、2016年リオデジャネイロ銅の三宅宏美(36=いちご)が18日、引退会見を開いた。スポーツ界一の人格者と名高い三宅らしい場となった。
「多くの方の支援のおかげで競技を続けることができた。感謝いたします」と仲間やファン、スポンサー、日本オリンピック委員会(JOC)など、関係各所へ感謝の気持ちを述べた三宅。報道陣にも「ずっと見守ってくださり、ありがとうございました」と笑顔。最後には「ぜひみなさんと一緒に写真を撮りたい」と記念撮影も行った。
五輪に5度も出場し、2つのメダルを獲得した超トップアスリートだが、その礼儀正しさや優しさ、謙虚さで人格者として知られ、各方面から人気が高い。証明するように、会見の司会を務めた所属するいちご株式会社の村田安里さんは、三宅のあいさつの後、思わず声を詰まらせた。
「すみません。つい、いろいろな思い出がこみ上げました。本当にこんな方がいるんだというくらい、素晴らしい人。五輪のメッセージを会社で作って送れば社員にも丁寧に目を見てお礼を言ってくれる」(村田さん)とその人柄ゆえの涙だという。また、この日はJOCの山下泰裕会長も花束贈呈で来場。三宅のスポーツ界での存在感を示していた。
今後は、いちごでコーチを務める。「重たいものは持つことはできないが、試行と技術は磨けると思う。選手のコーチとして、成長とともに自分もしっかり高めたい」と話した三宅。今後も大活躍が見られそうだ。