今回の月食の特徴
19日(金)の夜に満月が地球の影に隠され、最大で月のおよそ98%が欠ける部分月食が起こる。ほとんどが欠けるため、事実上“ほぼ皆既月食”だ。
また、月が最も大きく欠けるのは、午後6時と観察しやすい時間である。しかも、皆既月食にはならないが、ほぼ全てが欠ける“ほぼ皆既月食”が次に起こるのは、2086年と非常に珍しい現象だ(※今回より深い部分月食に限る)。
その上、今回は月食の時間が長く、ゆっくりと堪能することができる。是非とも観察したい。
観察のポイントと見どころ
今回の月食は、午後4時18分ごろから始まり、大部分の地域で月が欠けた状態で昇ってくる。これは「月出帯食(げつしゅつたいしょく)」と呼ばれる。
そして、月が最も大きく欠けるのは、午後6時3分ごろだ。午後7時47分頃に部分月食は終わる。東の低い空で起きるため、東側が開けた場所で観察する必要がある。
今回の月食最大のポイントは、月が大きく欠けることであるが、地球の大気を通過した空気が曲がったわずかな光が月の表面を赤銅色に照らす。
ちなみに赤く見えるのは、夕焼けの原理と同じである。欠け具合だけではなく、色にも注目するとさらに楽しめるだろう。双眼鏡などを持っていれば、その色味がよりわかるはずだ。
気になる天気
西・東日本では、高気圧に緩やかに覆われて晴れる所が多く、観察することが十分に期待できそうだ。一方、北日本では、低気圧の影響で一部の地域を除き曇りや雨となる。観察が難しいエリアが多くなりそうだが、東北太平洋側では雲の隙間から見られるところもありそうだ。(気象予報士・甲斐友貴)