マンフレッド・コミッショナー「失効前の労使交渉合意が最優先」

メジャーリーグでは現地時間12月1日午後11時59分をもって現行の労使協定が失効するため、ロックアウトに突入することが有力視されている。そんな状況のなか、メジャーリーグ機構のロブ・マンフレッド・コミッショナーは「12月1日までに(労使交渉の)合意に到達することがナンバーワンの優先事項だ」とロックアウト回避を目指す意向を明言。「時間が問題ということは私自身も理解している。これはチャレンジだ」となかなか進展しない労使交渉の現状に言及した。

これまでにも労使交渉が難航することはあったが、メジャーリーグ機構とメジャーリーグ選手会はそのたびにロックアウトを回避してきた。「交渉の場で議論されていることを具体的に説明するつもりはない」とマンフレッドは労使交渉の内容について具体的な言及を避けたが、FA制度や年俸調停の仕組みなど、数多くのテーマについて議論が行われているとみられる。マンフレッドは「過去にも課題を克服してきた実績がある。12月1日までに合意できるよう、引き続き提案や提言を行っていく」と自信を見せたが、ロックアウト濃厚という見方が強い。

メジャーリーグ機構と選手会は、日本時間11月19日に話し合いを行ったあと、2日後の同21日も再び話し合いの場を設ける予定だ。マンフレッドによると、メジャーリーグ機構は選手会に対して「現行の労使協定が失効するまでのあいだ、毎日交渉する準備ができている」と伝えたという。ロックアウト回避のためにベストを尽くす方針だ。

マンフレッドは1994~95年の長期ストライキを振り返り、「あれは誰にとってもあまりいい結果にはならなかった」とコメント。1994年はシーズンが中断されただけでなく、ポストシーズンも中止となり、1995年のシーズンは144試合に短縮された。「ファンは労働争議を望んでいるわけではない」とマンフレッドが語るように、ロックアウトの発生がファンに対してネガティブな印象を与えることは間違いない。ロックアウト濃厚とみられるなか、マンフレッドはロックアウトを回避することができるのだろうか。

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