大谷翔平の歴史的満票MVPから一夜…全米興奮冷めやらず〝SHO賛TIME〟

【ロサンゼルス19日(日本時間20日)発】エンゼルス・大谷翔平投手(27)のア・リーグMVP受賞は一夜明けても興奮が冷めやらない。地元紙はトップニュースとして大谷を特集し、エンゼル・スタジアムにそびえ立つ「ビッグ・A」の電光掲示板には「大谷翔平MVP」という文字が並び、グッズショップではMVPの記念Tシャツやマグネットが飛ぶように売れている。LAが大谷一色に染まった。

オレンジ・カウンティー・レジスター紙は見出し「大谷の信じられないシーズンはMVPも含む」が紙面トップ。スポーツ面は数名の記者らによる特集で「エンゼルスの最もデンジャラスな打者は2021年、ハイライトでいっぱいになる。46本塁打の素晴らしいシーズンを届け、MVP候補となった。エンゼルスの最もひきつけるアトラクションはマイク・トラウトがケガしてからさらにまぶしく光り、見たこともない野球シーズンでファンらをとりこにした」「大谷翔平のア・リーグMVP受賞は誰もが予想していたものだった。それでいて、とてもサプライズなものでもあった」と称賛の嵐。電子版では4月4日(同5日)のホワイトソックス戦からコミッショナー特別表彰受賞までの今季の大谷の名場面を写真だけで埋める特集ページも組んだ。

ロサンゼルス・タイムズ紙も「ツーウェー(2つの選択)なんてない。大谷こそが明らかな選択」との見出しで笑顔の大谷の写真をスポーツ面トップで紹介。「野球選手がその存在感だけで人々をひきつける映画のスターのように見えることは少ない。しかし、大谷のような野球選手はほとんどいない。彼の2021シーズンは野球における想像を超え、1人の選手ができると考えられていたことの限界を再定義した。だからこそ、彼はメジャーで今季最大のアトラクションとなり、ワールドシリーズ中にコミッショナー特別表彰を受け、ア・リーグMVPを期待通り受賞したのだ。それも満票で。それだけ彼のパフォーマンスは前代未聞で歴史的でユニークだったのだ」と大絶賛だ。

同紙はまた、大谷が来季以降も同様のパフォーマンスができるかについて「われわれが目にしたのは、まだ表面部分にすぎない。これから彼が毎年毎年(二刀流を)やり続けるのを見られたら楽しいね。それが彼のやりたいことだから」というネズ・バレロ代理人や「(二刀流は)持続可能だと考える。来季はさらに40~50イニング投げられ、トラウトやレンドンのバックアップを借りてさらに打てる」と信じるマドン監督のコメントを紹介しながら期待を寄せた。

エンゼルス戦の多くを中継してきたバリー・スポーツは大谷の偉業に加え、日本人選手としては珍しく表情豊かにプレーした大谷に着目。「大谷は全てスタイリッシュに見せた。バットフリップが好きだし、空に指をさしながらホームプレートを踏み、二塁や三塁を盗む時には特有のひらめきがあり、顔の表情を時にコミカルによく変え、それはチームメート、対戦相手、審判、ファンらに慕われるのに役立っている。内角すぎる球には明らかに怒りを見せ、にらんだりもする。大きな三振を取ったら雄たけびを上げるし、彼のボディーランゲージは読み取りやすい」と01年にMVPを受賞したイチローを始めとする多くの日本人選手らが表に出さなかった表情を見せた大谷には「どこか自信があった」と伝えた。

二刀流を続けられるかという疑問を大きく覆し駆け抜けた今シーズン。果たして来季はどんな大谷が見られるか、期待しかない。

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