ヤクルトはどう山本由伸を攻略するか? データから見る糸口とキーマンは…

オリックス・山本由伸【写真:荒川祐史】

日本シリーズ初戦に勝ったチームの日本一確率は62%

ヤクルトとオリックスが対戦する「SMBC日本シリーズ2021」が20日、京セラドームで開幕する。4年ぶりに予告先発なしで行われることとなったこのシリーズ。第1戦ではオリックスは山本由伸投手、ヤクルトは奥川恭伸投手が先発すると見込まれている。

4戦先勝で勝負が決する日本シリーズでは、初戦の勝敗が重要になる。これまで71回のシリーズで、初戦に勝利したチームがそのまま日本一になったのは44回。日本一確率は約62%になる。かたや初戦黒星だと24回(引き分けが3回)と半数ほど。やはり初戦を取り、勢いに乗るのが、日本一への“近道”となる。

となると、チームの命運を託される“エース”同士の投げ合いが鍵を握る。オリックスの山本は目下16連勝中。レギュラーシーズンを15連勝で終え、26試合で18勝5敗、防御率1.39と驚異的な成績を残した。「パーソル クライマックスシリーズ パ」第1戦でもロッテを4安打完封。この大黒柱がいかにチームに勝利をもたらすかが重要だ。

山本由伸を打ち崩すためには“リスク覚悟”の積極打法が必要?

そして、ヤクルトにとっては、この難攻不落の右腕からいかに得点をもぎ取るかが鍵を握る。山本のカウント別の被打率を見ると、2ストライクを奪ってと追い込むと、ボール数に関わらず、被打率は1割台から1割を切るほどしかない。球種も豊富で、そのどれもが決め球として使えるだけに、打者不利のカウントになると手に負えないことが分かる。

だが、初球の被打率が.282、1ボールでは.314、3ボール1ストライクでは.400と早いカウント、またはボール先行の打者有利な状況であれば、山本といえど、それなりに打たれている。打者が早いカウントから積極的に打ちにいき、それがハマらないと、球数が少なくなり、山本に長いイニングを投げさせてしまうリスクも伴うが、打ち崩すためにはやはり積極的に仕掛けるしかないだろう。

山本とヤクルト打線は今季、交流戦で1度だけ対戦している。この時、山本は7回2失点で勝利投手に。わずか5安打しか許していないものの、そのうちの2本が助っ人のサンタナが打ったもの。もう1人の助っ人オスナ、ベテランの青木宣親も安打を放っており、ヤクルトにとってはこの辺りの打者がキーマンになるかもしれない。クライマックスシリーズでも大活躍したリードオフマンの塩見泰隆にも“ラッキーボーイ”として期待がかかる。

前年度最下位からリーグ優勝へとジャンプアップしてきたヤクルト、オリックスによる日本シリーズ。頂点をかけた2021年最後の戦いが始まる。(Full-Count編集部)

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