【フィギュア】鍵山優真の大躍進でさらに陣容充実! 12月の全日本選手権は “オールスター戦” 状態

GP連勝を果たした鍵山(ロイター)

ついに新時代到来か。フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第5戦フランス杯(グルノーブル)はシニア2年目の鍵山優真(18=オリエンタルバイオ・星槎)が制し、第3戦イタリア大会に続く連勝。GPシリーズ連続Vは五輪2連覇の羽生結弦(ANA)以来となり、GPファイナル(12月9日開幕、大阪)初出場を決めた。

昨季シニアデビューし、今年3月の世界選手権で初出場ながら銀メダルを獲得。絶対王者の羽生、平昌五輪銀メダルの宇野昌磨(トヨタ自動車)を上回る成績で世界に衝撃を与えたが、今大会ではフィギュア界の新陳代謝をさらに加速させる出来事があった。同級生の佐藤駿(フジ・コーポレーション)がフリーで大躍進し、ショートプログラム(SP)4位から一気に2位。世界の舞台で羽生、宇野以外の日本人2人がワンツーを決めたのだ。

日本スケート連盟フィギュア委員長で北京五輪の日本選手団団長を務める伊東秀仁氏はかつて「誰もが世界王者になれる状況こそ、われわれがずっと目指してきた。一人のスターだけ注目されるようでは衰退する」と語っていた。そのビジョンが今まさに実現しようとしている。

人類初のクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)に取り組む羽生は別次元の挑戦を続け、宇野がその背中を追い、若きエース候補2人が切磋琢磨。さらに他種目では「アイスダンス」の〝かなだい〟村元哉中&高橋大輔(ともに関大KFSC)が目覚ましい進化を遂げ、NHK杯では「ペア」の〝りくりゅう〟三浦璃来&木原龍一(ともに木下グループ)が銅メダルでブレーク。数年前まで国内で全く注目されなかった2種目が脚光を浴び、フィギュア界の裾野は確実に広がっている。

北京五輪最終選考会の全日本選手権(12月22日開幕、さいたまスーパーアリーナ)は話題の選手が集結。文字通りの〝オールスター戦〟となりそうだ。

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