どうなる横浜市の中学校給食 山中市長「全員喫食」切り替え表明で転機

4月から横浜市立中学校で提供が始まった「デリバリー型給食」

 横浜市立中学校の給食の在り方が転機を迎えている。現在は、民間施設で調理した給食を弁当箱で学校に届ける「デリバリー型給食」を家庭弁当との選択制で提供しているが、8月に就任した山中竹春市長は「全員喫食」に切り替える方針を表明した。生徒や保護者を対象としたアンケートを本年度中に実施して最適な手法を検討するとしている。全校でデリバリー型給食の「全員喫食」となるのか、自校方式など他の方式が取り入れられるのか、はたまた別の選択肢があるのか。その行方が注目される。

 市は、今年4月から市立中学校の希望者向け配達弁当「ハマ弁」を学校給食法上の給食に位置づけ、「デリバリー型給食」を開始。全国20政令市では最後となったが、主食とおかず、牛乳がそろった「完全給食」が実現した。同様の方式は、県内では相模原市や鎌倉市などで導入されている。

 ただ、現行方式には賛否があり8月の市長選では争点の一つになった。議論となったのは「選択制か全員制か」という点と、「デリバリー型」を継続するか校内に給食室を設置する「自校方式」など他の形式に変更するか、だった。

 山中市長は、9月16日の市会本会議で「学校給食法の趣旨にのっとり、栄養バランスのとれた給食を原則として全員が食べることを目指したい」と強調。実施方式については「(調理場を設置する)土地や財源などの課題がある。まずは、課題の整理や実施スケジュールを検討する」とした。

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