3500年前に! 最古の幽霊ネタ発見 古代バビロニア粘土板の悪魔祓い儀式

古代バビロニアの粘土板に刻まれた幽霊(ユーチューブチャンネル「アルケオロジー・ナウ」から)

大英博物館の所蔵品から3500年前に書かれた世界最古の“怪談”が発見された。古代バビロニアの粘土板に、両手を縛られた幽霊が恋人に歩かされている様子が刻まれている。幽霊にはヒゲが描かれているので男性だろう。粘土板のテキストには「2人が一緒に冥界へと幸せに旅立つための儀式」の概要が記されているという。

大英博物館の中東部門を扱うアーヴィング・フィンケル博士は「粘土板に描かれているのは、悪魔払いの儀式で、幽霊の姿が記された古代の壮大な作品なのは間違いない」と話している。

複数の英メディアによると、この粘土板は19世紀に大英博物館が入手して以来、調査も展示もされず、倉庫に埋もれていた。描かれた幽霊は線が非常に薄くなっており、明るい照明を照らすと線が浮かび上がってきた。

粘土板の裏面には悪魔払いの手順が記され、最後には「後ろを見てはいけない」と警告文が刻まれていた。

フィンケル氏は「これは世界で最も古い怪談でしょう。人類が恐怖を抱いてきた存在である幽霊の話が3500年前に存在していたのです。古代のホラーと言えばいつもエジプトだから、それより古いと言えるでしょう」と語っている。

オカルト評論家の山口敏太郎氏は「人類の歴史が始まって以来、霊の話が途切れることはありません。古代の日本人が死者の復活を恐れて屈葬をしたように、古代から人類は霊に対して多大なる恐怖心を持って迎えてきました。逆説的には、生きることの素晴らしさを表現しており、死への限りない恐怖を表していると言えるでしょう。つまり、霊という幻想が生まれてから、人類の文化が始まったと言えなくもない。霊の誕生は文化の誕生を意味しているのです」と指摘している。

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