海外メディアが女子テニス・彭帥の生死を案ずる「劉暁波氏の死を彷彿とさせる面がある」

IOC・バッハ会長(左)は彭帥とビデオ電話で話したとされるが…(ロイター)

75歳の元中国副首相・張高麗氏に性的関係を強要されたことを告発した女子テニスの彭帥(35=中国)の生死を案ずる声が海外から飛び交っている。

ドイツ紙「南ドイツ新聞」は、一連の騒動について「先週、彭がWTA(女子テニス協会)に手紙を書いて『家で休んでいたい、邪魔されたくない』と言っていたはずなのに、なぜ急に彼女のプライベートが公開されるのか?」と指摘し「今回の事件は、中国でノーベル平和賞を受賞した劉暁波氏の死を彷彿とさせる面がある」と報じた。

いったいどういうことか。同紙は「中国北部の病院は毎日ネット上に劉暁波氏の病状の速報を掲載していた。訃報もウェブサイトで伝えられたが、中国のメディアは劉暁波氏の死を黙殺していた。ただ、共産党の機関紙だけが、今日と同じように英語で報道し、コメントしていた」と回想。共産党系以外の中国メディアが彭帥に関する情報を報道していない点が劉暁波氏の騒動と共通しているという認識を示した。

現状では彭自身が身の安全を発信した形式はない。中国側は強固な姿勢を崩していないが、海外からは厳しい視線を向けられているようだ。

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