【北京五輪】外交ボイコット問題 世界陸連コー会長が大放言「無意味」「空虚なジェスチャーだ」

開催が迫る中で、大揺れだ(ロイター)

北京五輪の外交ボイコット問題を巡って、世界陸連のセバスチャン・コー会長(65)が大放言だ。

北京五輪を巡っては中国における新疆ウイグル自治区での人権問題に加え、女子テニスの彭帥(35=中国)が中国の張高麗元副首相(75)に性的関係を強要されたと告発した後に消息不明になった問題もあり、米国や英国で要人を派遣しない外交ボイコットの可能性が浮上している。

しかし、こうした動きに対して世界陸連のコー会長が強く反論した。

英紙「テレグラフ」などは「世界陸連会長のコー男爵は、北京冬季五輪の外交ボイコットは『無意味』として『損害を与えるだろう』と述べた。また『各国委員会のトップが欠席することはない。それは空虚なジェスチャーにすぎない』と語った」と報じた。

コー会長は陸上界のトップで冬季五輪には直接関与しないが、昨夏に国際オリンピック委員会(IOC)の委員に就任。母国の英国では爵位を与えられており、正真正銘の〝五輪貴族〟だ。そうした立場から北京五輪の開催を支持するべく、米国などの西側諸国のボイコットの動きを強烈にけん制したとみられる。

コー会長は今回東京五輪前に、陸上女子短距離でメダルが有望視されていた米国代表のシャカリ・リチャードソンが大麻の陽性反応が出て東京五輪の欠場が決まったことを受け、今後大麻を禁止薬物リストから外す意向を示して大きな波紋を呼んだ。今回も中国とIOCのズブズブな関係をうかがわせる発言で物議を醸しそうだ。

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