カムバック賞 アは結腸がん克服のマンシーニ、ナはポージーが受賞

日本時間11月23日、今季のカムバック賞の受賞者が発表され、ア・リーグはトレイ・マンシーニ(オリオールズ)、ナ・リーグはバスター・ポージー(ジャイアンツ:現役引退)が選出された。マンシーニはステージ3の結腸がんを克服し、自身の4度目となるシーズン20本塁打を達成。ホームラン・ダービーでは準優勝を果たした。一方のポージーは新型コロナウイルスのパンデミックのなかで行われた昨季の出場を辞退。2年ぶりに復帰し、全盛期を彷彿させる活躍で球団新記録107勝の快進撃に大きく貢献した。

現在29歳のマンシーニは、今季147試合に出場して打率.255、21本塁打、71打点、OPS.758を記録。昨年のスプリング・トレーニングでステージ3の結腸がんを公表し、6ヶ月にわたる化学療法で治療に専念したが、見事にがんを克服し、メジャーの舞台に戻ってきた。今季初打席や初安打のときには大歓声を浴び、6月には通算100本塁打を達成。一塁手兼指名打者として162試合中147試合でプレーし、オールスター・ゲーム前日のホームラン・ダービーにも招待され、王者ピート・アロンゾ(メッツ)に敗れたものの、準優勝して多くの人々を勇気づけた。

現在34歳のポージーは、家庭の事情によりコロナ禍の2020年シーズンの出場辞退を選択。今季は113試合に出場して打率.304、18本塁打、56打点、OPS.889をマークした。2010年に新人王、2012年にMVPを受賞し、通算3度のワールドシリーズ制覇を経験した名捕手だが、30歳を過ぎたあたりから衰えが目立ち始め、2019年は114試合で打率.257、7本塁打、38打点、OPS.688という自己最悪の成績。しかし、今季は定期的に休養を与えられたことも奏功し、OPS.889はMVPに輝いた2012年(.957)以来の高水準だった。

なお、現役引退のシーズンにカムバック賞を受賞したのは、2013年のマリアーノ・リベラ(ヤンキース)に続いてポージーが史上2人目(カムバック賞の表彰は2005年開始)。ポージーは2012年に続いて自身2度目の受賞となった。マンシーニは球団史上初の受賞。ジャイアンツで受賞しているのもポージーだけである。

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