韓国紙「韓国のスパコンは世界9位も、輸入頼みという根本問題が」「富岳はサムスン機の17.5倍性能」

最近発表された世界500台のスーパーコンピュータランキング(TOP500)において、韓国はサムスン電子のスパコンが11位に新たにランクインした。国家の保有数ランキングでも9位に上昇したが、上位を占める日本・米国・中国とは決定的な差があると韓国紙が指摘している。

参考記事:韓国紙「世界1位《富岳》の天下は長続きしない」 サムスンのスパコンが上位登場

「スーパーコンピューティングカンファレンス2021」が新たに発表した世界TOP500スーパーコンピュータのリストに韓国からサムスン電子のスパコン2台に加え計7台がランクインした。保有数基準ランキングは世界9位となり前回より4段階ランクアップした。実測性能基準演算性能の総合値も82.2PFで同6位となり、前回より2段階上がった。

サムスン電子は、人工知能(AI)や半導体などの研究に必要な高性能演算を処理するため、今年スーパーコンピュータSSC-21を導入したと伝えられた。 SSC-21は理論性能31.8PF(ペタフロップス)、実測性能25.2PFで世界11位の性能を誇る。

ヌリオン

一方で韓国気象庁の保有する5号機スパコン「マル」と「グル」はそれぞれ27位と28位となり、前回に比べて4段階ずつランクダウンした。気象庁の4号機スパコンである「ヌリ」と「ミリ」はそれぞれ251位、252位となり42段階もランクダウンした。また、韓国科学技術情報研究院(KISTI)が保有するスパコン5号機「ヌリオン」は7段階ランクダウンとなる38位だった。

韓国紙マネートゥデイは22日、「国内(韓国)のスーパーコンピュータのグローバルランキングの下落は、国家間のスーパーコンピュータ開発競争の中で避けられなかった」とし、日中米など主要国家が「独自の技術力で超高性能「エクサフロップス(EF)」級のスーパーコンピュータ開発に挑戦する状況」であることから、「(各国が)より性能の良いスーパーコンピュータを導入すれば、(韓国など)既存機器の性能ランキングが押し出されるしかない」と指摘した。そして「根本的な問題として、独自のスパコン開発が必要だ」と強調した。

4期連続で世界1位の座を維持する日本の「富岳」については、「理論性能537.2PF、実測性能442PFで国内1位のサムスンSSC-21の実測性能基準17.5倍の性能を持つ」と伝えた。

同紙は、「国内(韓国)ではスーパーコンピュータの導入は輸入に依存しているため、予算問題などで研究機関らは、公共機関を退役した機器を買って導入するのが実情」であるとの専門家のコメントを伝えている。

先月には、韓国気象庁が数百億ウォンに達するスーパーコンピュータを導入した後、交換時期になれば1千分の1にもならない価格で廃棄しているとして韓国で話題となった。2005年に485億ウォン(約47億円)を投じた2号機と2003年541億ウォン(約52億円)を投じた3号機は2020年7月に廃棄処理されたが、回収された金額は計7千800万ウォン(755万円)だったと伝えられる。

この報道をみた韓国のネットユーザーからは、

「しかし…何でも優れてないといけないのかな?」

「国の競争力が大きく下がっているな。早く正気に戻らないと…」

「我々も自主開発すべきなのになぜ輸入に依存するのだ?」

「IT強国という名前が看板倒れ」

「ネットのスピードだけ速くてあとは特になし…」

などのコメントがネット掲示板に投稿されている。

参考記事:韓国紙「日本の世界1位スパコンは努力も金も注がれた」「韓国は克日叫ぶも予算20分の1」

参考記事:富嶽の背中遠く…韓国のスパコン「ヌリオン」が31位にまで後退

参考記事:韓国紙「東京エレクトロンが韓国に大規模投資へ」「1000億をR&Dに…韓国半導体業界にも相当な波及力」

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