第2回「だからオレは笑ってる」療養中のPANTAが回顧する青春備忘録

PANTA(頭脳警察) 乱破者控『青春無頼帖』

本来は初期頭脳警察の曲であるが、同じ4ビートテイストの「暗闇の人生」と被ってしまい演奏されずにいたのだが、ZKが解散し1stソロアルバム『PANTAX'S WORLD』で錚々たるミュージシャンで4ビートのナンバーとしてレコーディング。が、しかし、「マーラーズ・パーラー」という前代未聞の長尺の曲があり、限られた時間のアナログでもあり、「だから〜」は残念ながら没にされてしまった。そしてそれから40数年を経て、赤煉瓦のライブ、そしてアルバム『乱破』にやっと収録できることとなった古い新曲なのだった。 3rdアルバムのレコーディング、疲労も限界に近づいた深夜過ぎ、よりによって「光輝く少女よ」の生ギター入れ、通常とは逆のピッキングで最後まで繰り返されていくゆるくて長〜い曲なのだ。途中、ギターのボディーに顎を乗せてみるとこれが意外に楽なことに気づく。この際、ギターの鳴りのことなど眼中にないことは言うまでもない。そしていつのまにか寝てしまい、あるところでハッと目覚めた。普通この時点でNGを出すところ、最後まで弾いてしまい、ミキシングルームを見ればOKサインが出されてる。「おかしいな、絶対寝てたはずだけどな」と、プレイバックしてみれば、案の定、抜けている。スタッフ全員寝ていたらしい。 そしてスタジオに流された「ふざけるんじゃねえよ」であったのだ。

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