『教養(インテリ)悪口本』Amazon予約スタート後、即総合売れ筋ランキング5位に!

本書がデビュー作となるにもかかわらず、 11月1日にAmazonで予約を開始するやいなや売れ筋ランキングを急上昇した話題の書籍。 イラッときたときやモヤモヤしたときに使って、 ディスりたい気持ちを知性ある言葉に昇華する、 まったく新しいタイプの教養本。

「はじめに」より

インターネットに氾濫する悪口がつまらないのは、 そこに知性もユーモアも宿っていないからだ「こいつ無能。 死ね」というツイートを見て、 楽しい気分になる人はいない。 「こいつ無能」と言いたくなった時は、 代わりに「植物だったらゲノム解析されてる」(本書14ページ)と言おう。 周囲も「えっ、 何? どういうこと?」と興味を惹かれるだろうし、 生命科学の発展に思いを馳せる良い機会になる。 不快さを、 楽しさや知的好奇心に変えられるのが、 「正しい悪口」の効能なのだ。 僕はこれを「インテリ悪口」と称して、 インターネットに書き溜めてきた。 〔中略〕皆さんが何かをバカにしたくなった時、 本書を活用してほしい。 僕が可能な限りの知性とユーモアを詰め込んだ「インテリ悪口」を使ってほしい。 嫌なことがあった時、 インテリ悪口を使うことで、 溜飲も下がるし、 笑い飛ばすこともできる。 ちょっとだけ勉強にもなると思う。

無能な人、 役に立たない人に使える教養(インテリ)悪口

「植物だったらゲノム解析されてる」

生物学の世界には、 「モデル生物」という概念がある。 有名なところで言うと「マウス」だ。 要するに「皆が研究に使うスタンダードな生物」だと考えていい。 植物研究の世界にもこういうスタンダードがあり、 その代表選手が「シロイヌナズナ」である。 シロイヌナズナは2000年に植物として初めて全ゲノム配列が解読された。 その後20年で世界中の研究機関が協力してそれぞれの遺伝子の機能を解明していった。 現在地球上で最も研究が進んでいる植物の1つと言っていいだろう。 そんなシロイヌナズナは、 人間にとって何の役にも立たない植物である。 食べられないし、 薬にもならないし、 利用価値が全くない。 なぜ、 利用価値が全くない植物の研究が進んでいるのだろう? 実は、 役に立たない植物であることが、 モデル生物として好都合だったのだ。 役に立たないからこそ、 各国の研究機関が躊躇なく発見を公開できるからだ。 例えば、 生産量を爆増させるのに役立つ遺伝子配列を見つけたとしよう。 これがもし小麦だったら大騒ぎである。 「従来の3倍の効率で小麦を生産できる!」となったら、 発見した研究機関は、 独占して利用したいと考えるだろう。 特許を取って他者が使えなくしたり、 発見を秘匿したりするに違いない。 しかし、 シロイヌナズナではそういうことは起こらない。 何の役にも立たない植物なので、 利権が絡まないのである。 そういうワケで、 シロイヌナズナについては国際的な研究協力がめちゃくちゃ進み、 ここ20年で様々な遺伝子の機能が明らかになった。 植物の基礎研究に大いに貢献したと言えよう。 「怪我の功名」ならぬ「無能の功名」である。 このシロイヌナズナの特徴を活かしたインテリ悪口こそが、 「植物だったらゲノム解析されてそう」だ。 世間では、 無能な人に対して「新人が使えないんだよね~」みたいな表現が跋扈しているが、 これは下品な印象を受けないだろうか? 「使えない」はあまりにも安直で機知に乏しい表現だし、 言ってて楽しくない。 ここはぜひ、 無能ゆえに研究が飛躍的に進んだシロイヌナズナに思いを馳せながら、 「植物だったらゲノム解析されてる」とか「国際研究協力に向いた題材」とかそういう言い回しを使うことにしよう。 「ちょっと聞いてよ~! ウチの新人が植物だったらゲノム解析されてると思うんだよね~」から会話を始めれば、 下品にならずに知的でユーモラスなやり取りになること請け合いだ。 あと、 裏返すと「無能な人も意外に役立つときがある」という話でもあるので、 フォローにも使えるかもしれない。 「私、 全然仕事できない…」と落ち込んでいる同僚に「大丈夫! シロイヌナズナは役に立たないから研究が進んだんだよ!!」と優しく声をかけると元気づけられるかもしれない。 おちょくるな! とぶん殴られるかもしれない。 試す際はくれぐれも自己責任でお願いしたい。

使用例

「異動してきた佐藤さんのこと、 正直どう思う?」 「う~ん……なんていうか……植物だったらゲノム解析されてそうかな……」

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