【新体操】周囲も目を細める皆川夏穂の“人間力” 引退会見では報道陣に粋な計らいも

笑顔で引退会見を行った皆川夏穂(東スポWeb)

2016年リオデジャネイロ五輪新体操個人代表の皆川夏穂(24=イオン)が23日の引退会見を行い「最後まで悔いなくやり切れた。本当に幸せな新体操人生だった」と笑みを浮かべた。

皆川は17年世界選手権の種目別フープで銅メダルに輝き、個人の日本勢で42年ぶりとなる表彰台に立った。しかし、その後は内出血の影響で筋腱神経組織が壊死する「コンパートメント症候群」を右脚に発症するなど、度重なるケガの影響もあり、現役引退を決断した。

会見中は何度も笑い声が響くなど、和やかな雰囲気だったが、最後にはサプライズも。皆川が再び報道陣の前に姿を現し、自身の大好物であるようかんをプレゼントして回った。1個ずつラッピングされていただけでなく、手書きで「ありがとうございました 皆川夏穂」とのメッセージ入り。さらに、一人ひとりに感謝の言葉を直接伝える徹底ぶりだ。

取材をすると、皆川は周囲と相談をし、ロシア留学の際に大量に持って行ったほどお気に入りである京都の老舗和菓子屋「鶴屋吉信」のようかんをセレクトしたという。常日頃から細かいところまで気配りのできる皆川らしさが詰まったプレゼント。「本当に真面目な子。裏表がない良い子なんです」(関係者)と舌を巻くほどの人間性が垣間見えた。

ケガと戦いながらも、長きにわたってファン、報道陣など、多くの人々に新体操の素晴らしさを届けてきた。今後は指導者として新体操に携わっていくが、真心を尽くす姿勢は第二の人生でもプラスとなりそうだ。

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