南武線・鹿島田「賢い踏切」でも最長31分遮断、解決遠く 平間は4分に短縮

「開かずの踏切」とされているJR南武線の平間駅前踏切=2020年、川崎市中原区

 新型コロナウイルス感染拡大の影響などによる大規模投資的事業の見直しの一環で、1月末に都市計画決定の手続きを見送ったJR南武線連続立体交差事業を巡り、川崎市は24日、検討していた「開かずの踏切」の暫定対策について、「おおむね実施済み」と市議会まちづくり委員会に報告した。今後も改善に向け「JR東日本と連携して取り組む」としたが、委員からは市に「暫定対策に取り組むとしたが、実現していない」と現状への苦言も上がった。

 この日は、平間駅前踏切(中原区)、鹿島田踏切(幸区)、向河原駅前踏切(中原区)の検討結果を説明。平間駅前踏切では、今年2月に列車の種別に応じて警報開始地点を変え、無駄な踏切待ち時間を減らすシステム「賢い踏切」を導入し、最長遮断時間は導入以前の10分間から4分間に短縮したとした。

 一方、鹿島田踏切は賢い踏切を導入したが、10月15日の最長遮断時間は31分間に上った。道路整備課の担当者は「抜本的対策は難しい」とし、引き続き同社と連携し「小さな取り組みでもしたい」と述べた。

 向河原駅前踏切は、10月4日の最長遮断時間は21分間に及んだ。歩行者が横断する地下道は「設置が困難」とし、今後は賢い踏切の導入などに取り組むという。

 委員からは「平間駅前踏切で列車通過後にすぐバーが上がるよう改善を」(共産・市古次郎氏)、「向河原駅前踏切のNEC専用改札口に一般の人が通行できないか確認を」(自民・松原成文氏)と要望が出た。

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