「みそぎ」落選、なのにすぐ復党 松本氏処遇巡り、神奈川自民からも「身内に甘い」

衆院選で自民党の麻生副総裁(左)の応援を受ける無所属で出馬した松本氏(右)=10月30日午後、桜木町駅前

 新型コロナウイルス緊急事態宣言中に東京・銀座のクラブを訪問した問題で離党した松本純・元国家公安委員長の処遇を巡り、自民党が復党を認めたことが波紋を広げている。先の衆院選で落選した直後の突然の決定が「身内に甘い」との批判を招き、有権者の政治不信につながりかねないためだ。県内の自民議員に驚きと困惑の声が上がっている。

 松本氏は緊急事態宣言下の今年1月、銀座のクラブを訪れていたことが発覚。2月に離党勧告処分を受け、離党に追い込まれた。

 10月の衆院選は「みそぎ選挙」として、神奈川1区から無所属で出馬。自身が側近として支えた麻生太郎副総裁や安倍晋三元首相ら重鎮が手弁当で応援に駆け付ける「自民候補以上に手厚い支援」(中堅国会議員)を受けたが、立憲民主党候補に敗れて落選した。

 松本氏は16日の党紀委員会で復党が了承され、今後、改めて入党届を提出し正式に党籍が回復する見通しだ。幹事長交代に伴い、松本氏は今月4日付で復党願を再提出していたという。

 神奈川新聞社の取材に対し、松本氏の事務所は「正式に党本部から連絡はない。党内で手続きが進められているのではないか。詳細は党本部に確認してほしい」などとコメントした。

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