宇賀元町長が出馬表明 名簿問題で前町長辞職の真鶴町長選

宇賀一章氏

 神奈川県真鶴町の選挙人名簿抄本を不正にコピーし、町長選に利用していたなどとして松本一彦前町長が辞職したことに伴う真鶴町長選(12月14日告示、同19日投開票)で、元町長の宇賀一章氏(69)が24日、無所属で立候補することを表明した。同町長選への出馬表明は初めて。

 宇賀氏は会見で「多くの支持者から今回の問題を解決してほしいと言われた。一日も早く役場の業務を通常に戻さなければいけない」と出馬の理由を説明。自身が町長在任中に町職員だった松本氏が名簿を持ち出したことには「一部の職員の法令順守の認識や、情報管理体制が甘かった。(当選したら)行政として徹底的に原因究明をして再発防止に努めたい」とした。

 小中一貫教育の導入や、小児医療費の高校3年生までの助成拡大など子育て・教育施策の充実を掲げ、「町立中学校での完全給食は2期目の目標にしていたので、積極的に進めていきたい」と述べた。唯一の過疎地域指定の除外に向け、空き家対策や移住促進による人口減対策も訴えている。

 宇賀氏は県立小田原城北工業高校卒業後、民間を経て1972年に入庁し、町上下水道課長などを歴任。2012年の町長選で初当選し2期8年を務めたが、20年の町長選で新人で元町職員の松本氏に敗れた。

© 株式会社神奈川新聞社