全勝優勝へもうひと踏ん張りだ。大相撲九州場所１４日目（２７日、福岡国際センター）、横綱照ノ富士（２９＝伊勢ヶ浜）が２場所連続６度目の優勝を飾るとともに、１９６２年初場所の「昭和の大横綱」大鵬以来、５９年ぶりとなる新横綱からの２場所連続Ｖを達成した。
幕内阿炎（錣山）の攻めに土俵際まで追い込まれながらの逆転勝ち。取組後は「昨日から阿炎関の相撲を見た。自分から伸びないと入ってこないという感覚だった。それを頭に入れて、その時の体と脳の感覚で」と想定内の展開だったことを明かした。
土俵下で見守った師匠の伊勢ヶ浜審判部長（元横綱旭富士）は、一人横綱として戦い抜いた弟子の１４日間を振り返り「落ち着いていた。十分に責任を果たしている。本人も十分研究している」と目を細めた。
そして千秋楽の一番では自身初の全勝優勝が懸かる。伊勢ヶ浜親方も「気合を入れていくでしょう。最後に自分の相撲を取り切ってほしい」と期待を込める中、本人も「簡単にできることじゃない。できるうちにチャンスがあればつかんでいきたい」ときっぱり。一年納めの場所でのさらなる偉業に意欲を燃やした。
