【九州場所】阿炎 照ノ富士を追い込むも…“伏兵V”消滅 伊勢ヶ浜審判部長は評価

照ノ富士(左)を果敢に攻めた阿炎(東スポWeb)

一人横綱をあと一歩まで追いつめた。大相撲九州場所14日目(27日、福岡国際センター)、幕内阿炎(27=錣山)が横綱照ノ富士(29=伊勢ヶ浜)に押し倒しで敗れ、初優勝の夢は霧散した。

前日に大関貴景勝(常盤山)を真っ向勝負で破った勢いそのままに、この日も一人横綱相手に立ち合いから得意の突きで攻め立てる。のど輪で相手の体を起こし土俵際まで追い込むが、最後は横綱の底力を見せつけられた。

取組後は「横綱に胸を借りるつもりで上がった。まわしを取らせないつもりで当たった」と無念の表情。あと一歩の展開となりながら力尽きたことに「そこが自分の弱さと気づかせてもらった。もっと厳しく相撲を取っていきたい。明日に切り替えたい」と収穫と落胆を口にした。

それでも新型コロナウイルス対策のガイドライン違反による出場停止3場所の処分を経て、7場所ぶりの幕内復帰となった今場所は快進撃。賜杯戦線を終盤まで盛り上げた。土俵下の伊勢ヶ浜審判部長(元横綱旭富士)は「しっかり稽古していたんでしょう。これからも反省して相撲に打ち込んでいけばいい」とねぎらった。千秋楽は勝利していい形で終わらせたい。

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