来季へ向け投手陣に刺激 42歳・オリックス能見 21歳差対決制し貫録見せつける

ヤクルトの主砲・村上を打ち取ったオリックス・能見(東スポWeb)

プロ17年目の大ベテランが大舞台で躍動の投球を見せた。

オリックス・能見篤史投手(42)が、27日の日本シリーズ第6戦で、延長11回にチーム3番手として登板。21歳年下のヤクルト主砲・村上を左飛に打ち取り貫録を見せつけた。

初球、2球目といきなりボールが先行したものの、すぐさま直球と変化球でカウント2ー2に。最後は低めに制球された変化球で村上の体勢を崩し「21歳差対決」を制した。

僅か打者一人の「ワンポイントリリーフ」だったものの、能見の日本シリーズ登板は14年以来7年ぶりだった。このベテラン左腕の熱投に気温7度の中で見守ったファンも大興奮。マウンドを降りる際にはスタンド全体から惜しみない拍手が送られた。

能見は昨オフ、阪神を退団。今季から投手コーチ兼任でオリックスに加入した。シーズン成績は26試合0勝0敗2セーブ5ホールドで防御率は4・03。投球回数も僅か22回3分の1と登板機会は限定されていた。

それでもコーチとしてチームのエース格に成長した山本や若手投手陣に的確な助言を与えチームをリーグ優勝に導く陰の功労者として奮闘していた。

この日チームは延長12回の激闘に敗れ日本一こそ逃したものの、ベテランの雄姿はナインの脳裏に焼き付いた。試合には負けたとはいえ、来季のオリックス投手陣には大きな刺激になったはずだ。

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