女子ゴルフの古江彩佳(21=富士通)が史上最大の逆転劇となる約7250万円差からの賞金女王に迫ったが、稲見萌寧(22=都筑電気)にあと一歩届かなかった。
国内女子ツアー今季最終戦「JLPGAツアー選手権リコーカップ」最終日(28日、宮崎・宮崎CC)で単独2位以上なら逆転女王の可能性があったものの、最終18番ホールでバーディーパットを外して3位。賞金ランクは2位で終わり「頭の中にはなくてもどこかで意識しているので、そこのプレッシャーはあったかなと思います」と言いつつ「賞金女王を目標にしてきたが、年間のポイントがすごく大事だなと思っていたので、そこは取れた(メルセデス・ランキング1位)。賞金女王を取れなかったことは悔しいけど、悔しくもないかな」と語った。
古江には早速、次の戦いが待っている。今週からスタートする米ツアーの最終予選会に挑戦するのだ。以前は国内志向が強く意識もしなかった舞台だったが、7~8月にかけて参戦した「エビアン選手権」で4位、「AIG全英女子オープン」で日本人最上位の20位に入って意識が変わり、決断に至った。
今回の予選会には、2019年に「全英女子」を制した渋野日向子(23=サントリー)もエントリーしており、同時通過なら米ツアー〝同期〟となる。両者が米ツアーでどんな戦いぶりを見せるか注目を集めるが、ベテランのツアー関係者は「両選手とも頑張ってほしい」と語った上で「世間的な注目は渋野さんでしょうけど、安定した成績を残せるのは古江さんかもしれないね」と指摘した。
古江は今季の国内ツアースタッツにおいて、平均飛距離でやや劣るものの、その他のカテゴリーは安定してトップクラスの数字を残している。一方の渋野は爆発力や魅せるプレーが光る。それぞれに成功するための持ち味があるが、〝ステディーなゴルフ力〟という意味では古江に分がありそうだ。
劇的な形でメジャー制覇した渋野の存在は海外でも知られているが、そこまで知名度の高くない〝伏兵〟が一気にブレークするのか。予選会のプレーにも注目だ。