濱口竜介の最新作『偶然と想像』ナント三大陸映画祭・グランプリ&観客賞受賞!

世界がいまもっとも注目する映画作家・濱口竜介の最新作『偶然と想像』の劇場公開日が2021年12月17日(金)に決定し、Bunkamuraル・シネマほかにて全国公開。東京での封切館となるBunkamuraル・シネマでは、日本映画のロードショーは1989年の開館以来初。「偶然」をモチーフとした物語の中で、人のどんな本音、思惑が垣間見られるか期待が高まる。 第71回ベルリン国際映画祭にて銀熊賞(審査員グランプリ)を受賞した本作は、その後海外映画祭への招待が続き、9月にハンガリーで開催した第17回CineFest ミシュコルツ国際映画祭では最高賞にあたるエメリック・プレスバーガー賞を受賞、さらに国内では第22回東京フィルメックスではオープニングを飾り、観客賞を受賞するなど快挙を果たしている。 この度、フランス・ナントで1979年から開催されている「ナント三大陸映画祭」に出品され、見事グランプリ(金の気球賞)・観客賞を受賞。

受賞式は11月28日(日本時間:29日早朝)におこなわれ、現地入りした濱口竜介監督は「本当に嬉しく思っています。6年前に(「ハッピーアワー」)で観客賞をいただいてその後(同作で)銀の気球賞をいただきました。今回は金の気球賞(グランプリ)をいただき、本当に嬉しく思っています。この映画祭が歴史の中でたくさんの映画作家を発見してきたことを理解しておりますので、受賞をとても嬉しく思います。審査員の皆様本当にありがとうございます、ナント映画祭が大好きです。「ハッピーアワー」でも助監督で参加いただいた高野さんも今日参加してくれており、撮影監督の飯岡さん、プロデューサーの高田さんも「ハッピーアワー」から参加してくれていて、私たちチームにとって本当に嬉しいことです」とグランプリ受賞の喜びを壇上で伝えるとともに、続いて観客賞を受賞すると、「驚いています、ありがとうございます。「ハッピーアワー」で観客賞をいただいた時も嬉しかったですが、今回も本当に嬉しく思っています。映画を作り始める時には自分自身にとって面白いものを作りたいと思っています。それが観客の皆さんにとっても面白くなるようにと願って作っているのですが、観客賞をいただけると、この映画を面白いと思ってくれる人は自分だけじゃないんだ、と孤独ではなくなるような気持ちを持ちます。ですので、この観客賞は本当に嬉しい賞です。自分の孤独な作業を観客に伝えてくれた役者たち、そしてその役者たちを支えてくれたスタッフ・プロデューサーに感謝したいと思います。本当にありがとうございます。」と、改めて壇上で感謝スピーチを発表。

連続テレビ小説「エール」や「コントが始まる」など話題作に出演し圧倒的な存在感を放つ古川琴音をはじめ、中島歩、森郁月、甲斐翔真らフレッシュな顔ぶれが濱口作品に初出演。そして濱口組出演経験のある玄理、渋川清彦、占部房子、河井青葉ら個性豊かな俳優陣が好演している本作を、ぜひスクリーンでチェックしよう。 本映画祭では、金の気球賞(グランプリ)、銀の気球賞(準グランプリ)、審査員特別賞、若い観客賞、ナント市民賞などの部門がある。アジア・アフリカ・ラテンアメリカの三大陸の作品を対象としており、フィリップ・ジャラドーとアラン・ジャラドー兄弟によって設立された。昨年は、想田和弘監督のドキュメンタリー映画「精神0」がグランプリ「金の気球賞」を受賞した。

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