PSG会長によるFIFAへの贈収賄疑惑でスイス検察が上訴

ポチェッティーノ監督(左)とケライフィ会長(ロイター)

フランス1部パリ・サンジェルマン(PSG)のナセルアル・ケライフィ会長と国際サッカー連盟(FIFA)のジェローム・バルク元事務局長を巡る巨額贈収賄疑惑で、スイス検察が上訴する方針を固めて波紋を呼んでいる。

この一件は、カタールのテレビ局「beINスポーツ」を所有するケライフィ会長が、W杯などサッカー界の主要大会の放映権を得るために当時FIFAの要職にあったバルク氏に無償で豪邸を貸すなど不適切な接待を行ったことが問題視されている。バルク氏は接待や賄賂の見返りとしてケライフィ会長に放映権を与えたとされており、スイス検察は「捜査の結果、両者からバルク氏が不当な利益を受け取っていたことが判明した」として昨年2月に訴追。しかし同10月にケライフィ会長に対しては無罪判決が出ていた。

だが、スイス検察が新たな手に打って出た。フランス紙「パリジャン」によると、捜査が進展しておりケライフィ会長を来年1月に再び事情聴取するため召喚する方針を決定。「彼が事件の主な被告であるバルクを扇動したのではないかと疑っている。検察はPSGのトップに対して28か月の懲役を要求し、加えて14~22か月の停職も併せて主張する」と指摘した。新たな証拠が出てきた模様で、検察側はケライフィ会長の有罪に自信を深めているようだ。

ケライフィ会長はビッグクラブのPSGを率いるだけでなく欧州サッカー連盟(UEFA)の要職も務めるなど〝欧州サッカー界のドン〟として君臨している大物だけに、刑務所送りになればサッカー界への影響は甚大。今後の捜査の行方に大きな注目が集まる。

© 株式会社東京スポーツ新聞社