ジョン・ウォーターズ、23歳の出世作 悪趣味をまき散らす「マルチプル・マニアックス」初上映決定

ジョン・ウォーターズ監督による1970年の映画「マルチプル・マニアックス」が、日本初公開されることが決まった。ウォーターズ監督作「ピンク・フラミンゴ」の公開50周年を記念し、2022年1月1日より新宿 K’s cinemaにて公開される。

「マルチプル・マニアックス」は、ウォーターズが23歳の時に作られた作品。「ピンク・フラミンゴ」と同じく巨漢のドラァグクイーンのディヴァインが主演を務める。野原に建てられたテント小屋では、アブノーマル・セックス、吐き出したゲロを食う男、ヘロインの禁断症状などを売り物にした変態ショーが行われている。ディヴァインはその一団の座長で、集まった客を射殺しては逃げ回るなど、その悪行は留とどまるところを知らない。内縁の夫デヴィッドがたまらずディヴァインを殺そうとするが、ディヴァインはそう簡単にはやられず、常軌を逸した殺し合いが繰り広げられる。

衝撃のラストには巨大なザリガニが登場するなど、「ピンク・フラミンゴ」の結末に勝るとも劣らない仰天の展開が待ち受けているという本作品。配給を手掛けたニューライン・シネマのボブ・シェイが本作でウォーターズのポテンシャルに気づき、「次の作品を撮ったらぜひ見せてくれ」と申し出た。その次の作品こそが「ピンク・フラミンゴ」だった。

「マルチプル・マニアックス」とともに、ウォーターズ監督作「セシル・B/ザ・シネマ・ウォーズ」も公開される。映画狂の監督とその仲間たちが、ハリウッド女優ハニーを誘拐し、彼女を主演に仕立てた史上最強のインディーズ映画の撮影を始める。強大なハリウッドの映画システムと闘う反逆精神に満ちたコメディで、ウォーターズ自身が最愛の作品と語っている。

また、本上映とあわせて、ウォーターズ自身によるフィクションとノンフィクションで構成された新しいエンターテインメント小説「ジョン・ウォーターズの地獄のアメリカ横断ヒッチハイク」(柳下毅一郎訳/国書刊行会)も、2021年12月下旬に刊行される。

【作品情報】
マルチプル・マニアックス
2022年1月1日(元旦)、新宿 K's cinema にてロードショー
配給:アダンソニア
©Janus Films

セシル・B/ザ・シネマ・ウォーズ
2022年1月1日(元旦)、新宿 K's cinema にてロードショー
配給:アダンソニア
©Tamasa Distribution

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